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真説・公園の魔法使い  作者: 弐逸 玖
うつくしヶ丘高校 本校舎三階の図書室
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名前に込められた意味

 で、私はと言えば“花と花言葉の世界"というバカでかいカラーの図鑑を持ってきた。

 知っている振興会の女性エージェントは、全員がお花の名前のコードネームを持っている。

 個人的にあまり花には詳しくないからお花の姿と花言葉、全員分調べてやろうじゃ無いか、と言う事だ。

 我ながら暇つぶしとしては中々良いアイディア。



 先ず、いの一番は当然クロッカス。

 これは春先にお花屋さんや花壇なんかでもよく見かけるし、わざわざ図鑑で見なくたって少なくとも私だってわかる。


 本人が安直だと憤慨していた別名のハナサフラン。名前の通りに、秋に花の咲くサフランとは本当に近い品種らしい。サフランはお花のめしべの部分をスパイスにするんだね。こうして調べてみるまで知らなかった。


 そしていよいよ花言葉。

 どれだけ本人達とギャップがあるか、見て笑ってやろうと言うつもりだったのだけれど。


「色によっても違うんだ……」


 初手でつまずく。

 それは知らなかった。

 偶にやたらと花言葉に詳しい子達がいるけど、これ。全部暗記してんのかな?


 それはともかく。クロッカスについては紫と黄色の2種、華ちゃんは。

 ……イメージとしては、大人しいのに本人の自覚無しで目立っちゃう、ただ自分はそっと咲いているだけなのに、みんなが春になったなぁ。って花を見て思う。

 ――ふむ、黄色。かな。



【私を信じて】


 ……笑えない。これを笑ったら私は最低だ。



 結局この企画は失敗として、本を返しに行くべきだったのだけど、重いし。

 取りあえずは引き続きアイリスのページを探す。

 あった、アイリス。


 写真で見る限り、アヤメ、アイリス、カキツバタ。

 そんなに大きな差は無いように思う。

 綺麗で凜としたその姿。全部同じ種類なんだね、この辺は。


 きっと三人とも仲が良い、と言うか師匠と弟子みたいな感じなのかも。

 いずれアヤメかカキツバタ、なんてことわざがあるくらいだし。

 で、アイリスの花言葉は。


【あなたを大切にします】


 ……えーと。アイリスさんは暗殺“された"大統領を救ったのだと昨日聞いた。



 何か、一つも笑えないんだけど。もう返してきた方が良いかな。


「アイリスも燕子花かきつばたも本によってはアヤメとして一緒くたになっているのだけれど、この本はキチンと分けてあるのですね。だったらわたくしの事は花菖蒲はなしょうぶで探して頂けると嬉しいわ、ちなみにカキツバタの花言葉は【幸せは必ず来る】。花言葉だという部分を除いて言葉だけ聞くと、何かしら幸せの押し売りのような感じなのだけれど。……うふふ」


 右肩の上にあやめさんの顔。企画的に失敗した上にバレた。

 しかもこっちの意図も見透かされてるっぽい! 

 この上花言葉がやたら重かったり、思わず吹いちゃうような内容だったらどうしよう。

 ハナショウブ、これだな。


 【優雅】


「す……。凄くお似合いだと思います。……名は体を表す、というか」

「あら、ありがとう存じます。お世辞だとしても嬉しいわ」

「そんな、もう。全然」


 危なく吹くところだった。

 当然これは知っててふったんだと思うけど、でもここで吹いたらあやめさんは喜ぶだろうけど、華ちゃんには絶交されそうだ。


 良くも悪くもぴったりですよ、あやめさん。


 ……図鑑、返してこよう。


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