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真説・公園の魔法使い  作者: 弐逸 玖
うつくしヶ丘高校本校舎 職員室の前
36/66

結界師の頂点

「ごめんね、なんか変な空気になっちゃった。お茶入れてくる」 

「いや、お茶くらい私だって入れられるから。だから桜は座っていて?」


 そろそろいつもなら寝る時間。

 だけど、補習は9時半からだし、あやめさんとの約束は9時。

 少し寝坊したところでご飯さえ炊いておけば、お弁当も含めて十分間に合う。



「でも華ちゃんが一番なんだね」

「え? なんの話?」

「時空使い、国内ただ一人のグレード1、つまり国内ナンバー1!」

 少なくても時空魔法はあやめさんよりも上、それは素直に凄いことだと思うし、なんか嬉しい。……しかし帰ってきた返事は違った。


「いいえ。やはり上には上が居る。グレード1の、その上がグレードA」

「え、数字じゃ無いの? Aって反則じゃ無い!?」

「反則って……。えーと、考えた事が無かったのだけれど。――だけど魔法のクラスだってAの次はSだし」



 つまりは特別って事か。

 でも時間と空間を好き放題操れるような人がもしも人格破綻者だったとしたら……。



「世界に一人しか居ないグレードA。……実はアイリスがそうなの」

 世界にただ一人のグレードAを持つ人は。……ある意味、人格破綻者だった。



「彼女は物の時間を巻き戻す事が出来る、人体でさえも」

「……それって」

 何でもありか! 魔法使い……。


「去年、新共和国連合で暗殺未遂事件があったのだけれど。知ってる?」

「あぁ、大統領が演説中に撃たれて殺されそうになったやつでしょ?」

 テレビでも何度か放送されて、後で一部モザイクになったりしてた。


「いえ、アレは完全に殺されたわ。普通のSPの他に各国から招聘された魔法部隊も控えていたのだけれど、完全に隙を突かれた。暗殺は成功した」

「まさか!」


「それをアイリスが生き返らせた」

「いや、あの。……殺されたんだよね」

「えぇ、間違い無く完全に死んだ」

 完全に死んだ、……って。


「アイリスはね。……死亡数分以内であれば。時間を巻き戻して死者さえ生き返らせる事さえ出来るの。本人も他はともかくその魔法についてだけは、ロジックが自分で完全にわかっていないと言っているけれど。でも結果として彼女にはそれが出来てしまう」

 なにそれ!? 何でもありか、魔法使い!!


「世界でも50年ぶりのグレードA。最強最後の時空使い。本来呪いや呪詛以外、人体には直接影響を及ぼせないはずの魔法を、まして生死に直接かかわるような魔法を。それを行使出来る世界でただ一人のグレードA、ウィッチの称号を持つフルエレメンタラー、それが彼女」



「でも結界師はそう言う意味では直接影響与えてるよね?」

「うん? ……どういう、こと?」

「華ちゃんもやるじゃ無い? 人払い、とかさぁ」


「なるほど。……結界師だって意識をそらすのがせいぜいで。限定封印だって直接根本を封印するわけでは無く、魔法が発動出来ないようにいわば出口にフタをするだけ」

 そう言えば公園の時、大葉さんがそんな事してたっけ。


「脳を爆発させたり、肺に窒素を充填したり、血の流れを逆流させたり、思考をコントロールしたり。人体を直接触るのは魔法使いも結界師も、絶対できないはずなの」

 それが出来るただ一人の魔法使いがアイリスさん、と言う事であるらしい。


 だから基本的に野良魔法使い狩りとかには出ないし、事務を取り仕切る経理部長として事務所に籠もっているのだが、反面。政府系の仕事として会長と一緒に出かけていることも多いのだ。


 華ちゃんはそう言った。

 日本政府の裏外交最後の切り札がアイリスさん。人は見かけによらない。


 ……もう何でもありだな、アイリスさん。

 魔法使いに喧嘩売っちゃいけないのだけはわかった。

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