第4話:【朝】騒がしい日常
「ッ〜〜〜」
頭が痛い。
ここは、………
昨日はシンとの練習を再会してから、暫く経ったとき、アリスとセロがやって来た。
「今、何時なのかしら。うぅ、喋ったら頭に………何で毎回私の家で騒ぐのかしら。」
その後、【森】に行くため必ず合格しなければ成らない試験の対策。
日が暮れて来た頃には、アルコールが魔法具(魔具)作りの次に好きなアリスにいつものように無理やり飲まされた。私とシン、セロは………
ダメだ。全く覚えていない。
だが、今のこの惨状を見れば、大体解る。
私は毛布にくるまり、床で寝ていたみたいだ。
シンは椅子に座ったままで、まだ寝ている。
シンはこのメンバーで、最も弱い。
初めて、この惨劇になった頃は、二日酔いで、一日中寝込んでいた。
この騒ぎの元となるアリスは、下着姿でワインの瓶を抱いて寝ている。
セロは、アルコールに強く、どんなに飲んでも、酔ったところ見た所がない。
いつもの用に、鍛錬でもしているのだろう。
私は、アリスが作った。ガラスの水差し(正式名は、忘れた。)に入った。水をコップに入れ一気に飲み干した。
因みに、このアリスが作った水差しは、珍しく、成功した魔具の一つである。
使い方は簡単で、少量の魔力を水差しに刻んである。魔法陣に流し、水を入れれば、魔法陣に書かれた冷却の魔法で水を常に冷やす事が出来る代物だ。ただし、水を常に入れてなくては、水差しが冷やされて砕けてしまう。欠点が有った。
なかなか便利な代物なので売り物として、出さないのかと聞いたところ。
『え、ああ、それね。それは、フィンに上げた物。何時も、付き合って貰ってるお礼でもあるから。
それに、私が作るのは、過激で使える戦闘用の魔具が好きだからそれは、特別。』
と言っていた。
アリスには、アリスなりの考えがあるみたいだから、考えない事にした。
おっと、話がずれてしまった。
水を飲み干し、体内のアルコールを薄めた後、下着姿で寝ているアリスに毛布をかけ、みんなの分の朝食を作り出した。
数分後………
「ッ〜〜〜、
あ、おはよう、ぅ〜〜頭が痛い。」
最近になり、少しづつであるが、お酒が強くなってきた、シンが料理を作っている音に反応し、起きた。
「頭が痛いのは、二日酔いのせい。そこにある水を早く飲みなさい。」
「ありがと。フィン。………ん、美味しい。所で、アリスが見足らないんだけど、もうセロに連れられて帰ったのか。」
シンは何時もの用に、私の隣に来て、食事の手伝いをしながら、聴いてきた。
「シンの後ろにある、毛布の中よ。」
私が言うと、同時に毛布の中から、細い腕がシンの足を掴んだ。
「うひぁぁ!」
「セロ〜〜お水〜〜五月蝿い黙れー。」
「それは、シンよ。逸れから、セロは居ないはよ。」
やっと起き出したアリスは、下着姿なのを忘れて要るのかシンが居るのを気にしないで、あくびをしている。
《忘れて要ると言うよりも、気づいていないのかも。》
兎に角あのままにしては、おけない。
「アリス。貴方、何か着なさい。恥ずかしいわよ。………後、シン。貴方、解っている。」
まだ、寝ぼけているせいで、シンが居ることに、気づいていない。
少し怒りを込めて、言ってみたら私と一瞬目が合ったが、瞬時に反らした。
「私は何も見ていませんよ。」(目は完全に反らしたまま。)
「………私は、ただ、解っているか聴いただけで、何か見たかは、聴いていないわよ。」
「うぅ。」
「アリスはまだ、貴方の事気付いていないみたいね〜〜。」
「俺に何を言いたいのかな。」
やっと、目を反らすのを止めたシンは完全に諦めている。
「物分かりが良いじゃない。」
《目を反らした後、逆に目をしっかり、見ている時はシンの諦めた時の癖が出た。と、言うことは諦めたみたいね。》
「………何時も、そうだからだよ。」
何かブツブツ呟いているが、まあいいや。
「それじゃ、朝食のおかずをもう、一品作る事と、私の試験の模擬戦をして貰うから。」
「ハァア〜〜
待てよ!おかずを一品増やすことぐらい。何でも無いが、なぜフィンの相手までしなければならん。」
朝から五月蝿い大声で無理だの、嫌だの、文句を言ってくるが、
「そう。其れなりの覚悟があるのね。」
シンはさっきまでの威勢が、消えてしまった。
「私が言いたい事は解っているみたいだし。………どうする?」
完全にシンは沈黙したまま首を縦に振った。
「さて、決まった所で朝食を作りましょう。
其れと、模擬戦では貴方は守る事優先的にしてね。私、がんがん攻撃魔法を使うから。」
其れからはシンは何も言ってこなかった。(言えなかったの間違えでもある。)
《今日も、騒がしい1日になりそう。》
人物紹介その2
セロ…進の親友。余り喋らない。だが、ただの無愛想ではなく、言う時は喋る。
武術科の高等部2年生
異常までにお酒が強い。
武器は剣。