プロローグ:【神様】準備開始
何もない。
どこまでも、真っ白に染まっている空間に1つのシミ。
「お!どうした。6人とも、もう時間なのか。」
何も無い、真っ白な空間でたった1つの色を持つ者。
白髪、
白瞳、
白肌、
どこまでも、真っ白な空間では、どこにいるか分からなくなりそうだ。
だが、ただ1つ違うのは真っ黒な服装。丸でこの空間の色に溶けてしまわないかの如く真っ白な空間に真っ黒なシミを創り出している。
そして、今そんな場所に新たな6種類の色が生まれていた。
全てを燃えてしまいそうな、
赤色。
全てを癒やしてしまう、
青色。
全てに安らぎを与える、
緑色。
全てを包み込んでしまう、
茶色。
全てを照らし出す、
金色。
全てに眠りを与えんとするかの、
黒色。
『アーバスト、そろそろ良い頃合いだと思うが、そちらの準備は終わったのか?』
赤い光がどこか堅苦しい喋り方をして、アーバストと呼ばれる真っ白な者に問い掛けた。
「止めてくれよ。もうその名前は、終わったんだから。
気軽に【神様】て、呼んでよ、ね。」
『あのね〜。
私達からしたら、あなたは何時まででも、アーバストなのね〜。
だから、【神様】なんて、呼べないよ〜みんなもそうだよね〜。』
どこか緩い感じの緑色の光の声が他の色に聞く。
『全くですわ。
それで、アーバスト準備は、出来たのですよね。』
気が強そうな金色の光が問いただす。
「全く、みんなは………準備は終わっているよ。これで、暫くは退屈しなく済みそうだ。」
『全て元凶は、お前さんじゃろ。文句を言ってないでさっさとせんかアーバスト。』
いかにも、年を取っているかの茶色の光がせかす。
「ハイハイ。分かっているよ。最後の仕度を済ませに行ってくるけど、君はどうするの。」
『僕達。は。しばらくの間。眠りに着く。それに、もう眠っている。者も。いる。』
片言で喋る。黒色の光が突然消えた。
「みんな、勝手なんだから。」
『それじゃあ、俺も眠るとするか。じゃあな、アーバスト頑張れよ。』
赤色の光が消えた。
『それじゃ〜お休み〜。
何かあったら呼んでよね〜。』
緑色の光が消えた。
『もう、皆さん早い事で、アーバスト。私達を起こす様なことしませんように。でわ暫くの間眠りに着きますわ。』
金色の光が消えた。
『やれやれ、じゃあ、わしも眠るとするかのう。失敗は許されんのだからな、アーバスト。』
茶色の光が消えた。
「分かっているよ。」
真っ白な空間に又、1つのシミが残った。
「さてと。それじゃあ、行きますか。僕が、僕達が引き起こした。1つの罪を洗い流す為に。………アーバスト…か。
みんなは、まだその名前で呼んでくれるのか。
だけど………今の僕は【神様】として生きるために―――――」
この真っ白な空間での出来事から、30年後、
力と知識・剣と魔法が様々な事を可能とする世界のスタートラインになる出来事であった。