表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2.サバイバル初心者は大変(いや、マジで)

サバイバルを書くのは難しい……

 さて、一旦整理してみよう。

 徹夜で勉強してテストが終わり、俺は家に帰ってすぐにベッドで眠った。

 気がついたらこの森で獣人になっていて……ウェアウルフに襲われた。

 で、なんとか倒して現状に至る……と。

 うん、さっぱりわからん。

 RPGみたいなウインドウといい、モンスターといい、間違いなくここは異世界なんだろう。

 飛ばされただけなら姿は人間のままだから、おそらくは転生した。

 でもなぜ?

 寝てただけなら普通は死ぬことはない。

 死ぬような心当たりは……ある。

 部屋は散らかってたし、寝返りしてベッドから落ちた時にそこにあった固い何かに頭をぶつけたとか?

 うわ、それってすごい情けねぇ死に方なんだが……とりあえず、第二の人生……もとい、獣人生?を生きていかないとな。

 さっきはノリで最強になるとか言ったが、戦うだけじゃ生きていけねぇ。

 まずは基本の衣食住を揃えないとな。

 とりあえず、食はウェアウルフがあるが……生で食えるんか?

 あと、獣人て毛皮はあるが、服を着んのか?

 ……まずは『居』だな。

 雨や風を凌ぐには家があればいいんだが、作り方なんざわからんし、道具すらねぇ。

 とりあえず歩いて探すか……

 おっと、貴重な食料のウェアウルフも持っていかないとな。

 ち、俺の毛皮に血が付いちまってる。

 ペロリと舐めてみたが、やはり鉄みたいな味で不味かった……。

 そしてどのくらい歩いたろうか……ちょうどよさそうな洞窟を発見。

 うん、中は中々広いし、ここでいいだろ。

 残りHPが少ない中、歩き回ってさすがに疲れたし、出口がわからない森の中ということであって心が折れそうになった……

 岩に寄りかかり、ウインドウを開く。

 次は休みついでにステータスのチェックするか。


 名前:なし

 種族:狼獣人

 レベル:4

 HP:7/73

 MP:32/32

 攻撃力:45

 守備力:22

 素早さ:94

 魔力:32

 スキル:『吸血Lv.1』『爪攻撃:Lv.1』『雷の(いかづちのきば)Lv.2』

 称号スキル:なし

 

 んん?

 ステータスの上がってる数値がおかしくない?

 レベルがたった3上がっただけでHPが38、素早さなんか59も上がってんぞ。

 しかも、スキルも『雷の牙』ってのが追加されてる……

 どうなってんだ?

 レベルアップで覚えたとしても、いきなりスキルレベルが2ってのもおかしい。

 ……ちょっとスキルの説明を見てみるか。

 

 『雷の牙』

 雷と纏った牙で攻撃する。

 たまに相手を痺れさせる効果を持つ。

 レベルが上がれば痺れ効果の確率が高くなる。


 なんというか、これは予想通りだな。


 『爪攻撃』

 鋭い爪で相手を切り裂く。


 え、それだけ?

 一番基本的な技ってわけか。


 『吸血』

 相手の血を摂取することで相手のステータスとスキルを自分のに加えることがことができる。

 レベルが上がると加えられる量が増える。


 なるほど、『雷の牙』やステータスの上昇はウェアウルフから摂取したからか。

 たしかにウェアウルフは『雷の牙』っぽいのを使っていた。

 じゃあ、さっき舐めたのは俺のじゃなくてウェアウルフの血だったのか。

 ……これってチート臭くね?

 でも、いくら強くなるためとはいえ、毎回まっずい血を摂取すんのはなんか嫌だぞ……

 まぁ、生きていくにはそんな事言ってられないんだがね。

 さて、次はどうするか。

 そういえば、さっきは無我夢中で無意識だったけど、簡単に木の枝にジャンプできたんだよね。

 思いっきり跳んだらどこまでいくのか?

 まずは外に出て軽く屈身。

 そして思いっきり……飛ぶ!!

 うお!木の高さを超えたぞ。

 すっげ……超有名なあのバトル漫画みたいだ。

 これ、うまくコントロールすれば木から木へと跳び移れるんじゃねぇか?

 やっべ、それ超やってみてぇ。

 でも、その前に次の『食』だな。

 さっきのウェアウルフを食料として持ってきたが……獣人って生の肉は食えんのか?

 てか、元人間としては血生臭い肉は正直食いたくない……

 じゃあ魚?

 いや、寄生虫とかがありそうで怖い。

 火があればいいんだが……火……そうだ!

 俺は細めの木の枝と小さめの丸太を探す。

 少し時間がかかったが……なんとか探し出して洞窟内に運ぶ。

 爪で枝を削って尖らせて、丸太に押し付けて回転させる!

 摩擦熱で火おこしなんて現代人の俺には原始的だが、致し方あるまい。

 ……どのくらい時間が経ったろうか?未だに火が着く気配がない。

 むしろ、俺の手に火が着きそう。それくらい痛いのだ。

 肉球なんか、もうジンジンと痛い。

 なんか虚しくなってきた……

 お、煙が出てきた!

 回すのをやめて息を吹きかける。

 消えないようにゆっくりと。

 そして、小さな火がパチパチと音を立てて芽吹いた。

 やった……やっと着いた……諦めかけたけど苦労が報われた……

 木をくべて、あとは風で消えないように風よけの丸太を置いてッと……さて、これでよし。

 あ、しまった……水を忘れてた。

 水がなくちゃ生きていけねぇぞ……

 暗くなりかけてるが、仕方ない。探しに行くか。

 夜ってモンスターが活発になるイメージがあるからな、気をつけないと。

 迷わないように爪で木にマークを付けながら進んでいくけどなかなか見つからない。

 やばいな、もう暗くなっちまったし……一旦戻るか?

 いや、まてよ?この匂いは……

 俺は感じた匂いを辿って進んでいく。

 すると、川の流れる音を耳がキャッチし、やがて川を発見した。

 うおお!やっと見つけた!!

 川にマズルを突っ込み、水をゴクゴクと飲み込んでいく。

 あー、うめぇ!!

 自然の真水ってうまいな!マジ嬉しいわ。

 ジュースが欲しいが……そこは我慢するっきゃねぇか。

 できれば水を汲んでいきたいが今は入れるもんがねぇし、木を削れば何とかなるだろが削れるもんがない。

 できれば、そんなスキルが欲しいが、んな都合がいいスキルってあんのか?

 ま、とりあえずモンスターに見つかる前に退散とすっか。

 明日には体力回復すっだろし、火が使えるモンスターを見つけて狩ってみるか。

 火のスキルさえあれば、あんな火おこしを毎回しなくていいしな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ