表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

1.気がついたら森の中(どうしてこうなった?)

獣人転生シリーズ二作目です。

がんばります!

 さて、皆さんは気がついたらどこか見知らぬとこにいたという経験はありますか?

 え?ない?うん、それが普通だよな。

 だけど俺が今現在、その見知らぬ場所にいるんだよなぁ。

 俺は間違いなく、高校のテスト勉強を徹夜でして、テストが終わって自分の家の部屋のベッドで寝ていた。

 それで気がついたら……

 「なんで森にいるんだよおおおぉぉぉ!!?」

 おかしくね!?寝て起きたら自分の部屋から森にいるっておかしくね!?

 しかも……グルルルルっていう獣の唸り声みたいなのが自分の喉から聞こえた。

 おん、一回落ち着こう。

 落ち着いて過去を少し思い出してみよう。

 俺は今年の春に高校に入学して……友達と面白可笑しく過ごしてきた。

 いつも通りテストは一夜漬けして、二日間のテストが終わって帰って速攻ベッドに倒れこんで寝たんだよな……うん、間違いない。

 それがどうしてこうなった?

 さらに……だ。

 俺は地球生まれの人間だ。

 それが今は……全身に黒い毛並み、鼻が前まで伸びたマズル、頭には三角耳、そして、腰にはフサッとした尻尾が生えている。

 これはあれか?

 漫画やアニメなんかで出てくる獣人ってやつか?

 人間ですらねぇとか……泣きたくなってくるわ……

 ん?見知らぬ場所にいて身体が変わってるってことは……俺、転生したのか?

 いやいやいや!

 だとしたら、死んでなくちゃいけねぇだろ。

 俺は健康体だったし、ベッドの上で突然死するようなことはなかったはず。

 誰か教えてくれぇ!!


 ステータスを確認しますか?


 んんん?

 なんか目の前にRPGのコマンドみたいのが出てきたよ?

 そうじゃなくて!!

 俺は話し相手ができる奴から聞きたいんだぁ!!

 カモン、ヒューマン!!


 ステータスを確認しますか?


 だからお前じゃねぇよ!!

 っていうか、このウインドウが出てる時点で地球じゃないとわかるわ。

 ……とりあえず、一旦落ち着いて現状を確認しようか。

 

 名前:なし

 種族:狼獣人

 レベル:1

 HP:35

 MP:10

 攻撃力:20

 守備力:10

 素早さ:35

 魔力:10

 スキル:『吸血』『爪攻撃Lv.1』

 称号スキル:なし


 ……まさにFANTASYじゃないか。

 え、なに?まさか、戦えというの?

 魔物とかいるの?

 うっわ、俺はそんなのご免なんだけど。

 てか、吸血って何よ?バンパイアじゃないんだからしたくねぇよ!

 スキルや称号スキルってのも気になる……説明とかないの?

 もう少し調べたいが……そういうわけにもいかなそうだ。


 ウェアウルフLv.2、ウェアウルフLv.3、ウェアウルフが現れた。


 俺の目の前にウェアウルフという小型の犬……いや、ウルフだから狼か……がこっちを見ながら唸り声を出している。

 うん、やっぱりここは……逃げる!!

 俺は脱兎のごとく逃げ出した。

 レベルがあっちが上回ってるんだからマズイだろ!しかも三匹!

 ゲームのRPGだと回り込まれて攻撃受けるが、今はリアルのために逃げられる!!

 しかし、当然ながら奴らは追ってくるわけで。

 てか、はえええええぇぇぇぇぇ!!!

 狼獣人の身体だからかめっちゃ早く走れる!!

 これなら……追いつかれな……着いてきてる!?

 くっそ……どこまで追ってくんだこいつら!

 やっぱり戦うか?

 チラッとウェアウルフを見てみると、いかにも噛みつきそうな形相で走っていた。

 うおおおぉぉぉ!!!無理無理無理!!

 これがあの人気RPGの可愛らしいスライムだったらよかったのによ!!

 同じ狼でも多勢に無勢だ!

 あ、言ってることが矛盾してるか。

 って言ってる場合じゃねぇぇぇ!!

 距離が少しずつ縮まってるっつぅの!

 な、なにか方法は……って前に道がねぇんだけど!?

 こ、ここで終わっちゃうのか……いや、まだだ!

 俺はジャンプして崖の近くに生えている木の枝を掴み、反動を利用して一回転する。

 「くらえやぁ!!」

 俺の下まで来たウェアウルフのケツを蹴り飛ばし、前にいた一匹のウェアウルフを巻き込んで崖下へ落下していく。

 やった……か?

 

 経験値を124獲得。レベルが3に上がりました。

 お、経験値獲得のふきだしが出たってことは倒したのか。

 レベル3か……あれ、ちょっと嬉しくなってきたよ?

 やっぱり、ゲームでもレベルが上がると嬉しいしね。リアルだと余計だ。

 あれ、なんか忘れてるような?

 「グルルル……」

 あ……、も一匹いたんだった……

 アイツってレベルどっちだっけ?


 ウェアウルフLv.3

 

 レベル3か……同レベルだけど一匹なら戦ってみるか!

 俺は地面に降りてウェアウルフと向き合う。

 向こうが先に飛び込んできて、俺は横にかわすが、着地と同時にまた飛び込んできた。

 てか、なんか牙がバチバチとしてるんですが!?

 え、なにあれ、電気!?もしかして奴のスキルか!

 驚いたからか、反応が遅れて牙が俺の腕をかすった。

 いってえぇ!!


 7のダメージ。


 かすっただけで7も持ってかれた!

 残りのHPは28か……って、まともに食らったらやべぇじゃねぇか!!

 くっそ、気を抜くなってことか。

 とにかく、攻撃は最大の防御ってことで俺は奴に突っ込んで爪攻撃を放つが、あっさりとかわされてしまった。

 チッ、甘いか。

 すぐさま奴を見ると、木を蹴ってさらに勢いをつけ、俺の腕に雷の牙で噛みついてきた。

 ぐあああああぁぁぁぁぁぁ!!!いってぇぇぇぇぇぇぇ!!?

 

 21のダメージ。


 やばいやばい……残り7しかねぇ……

 てか、ダメージ数はウインドウじゃなくて文字のみなのね。

 じゃなくて!この現状をなんとか打開しないと。

 逃げるにしても後ろは崖だし、戦いも完全に初心者だから避けられる……あれ、詰んでね?

 いや、まだ地形がある。これをうまく使えば……

 ウェアウルフが飛び込んできたため、俺はジャンプして木の枝に乗る。

 あ、とっさだったけどこれはチャンスだ。

 枝からジャンプしてウェアウルフに向かって思い切り蹴りを放つ。

 もちろん避けられたが、すぐさま奴の首を掴んで地面に叩きつけた。

 叩きつけたダメージで怯んだところに俺のスキル、爪攻撃でダメージを与えた。

 決まった……完全にダメージ数を見る余裕はなかったが手ごたえあり!

 ゆっくりと見てみると、ヨロリとよろけながら立ち上がっているウェアウルフの姿があった。

 え、うそ!まだ立つの!?

 そう思ったが、バタリ倒れた。


 経験値を75獲得。レベルが4に上がりました。


 と、表示されるウインドウ。

 てことは……うっしゃあ!!初勝-----利!!

 あー、しんど……とにかく今は休まないと……これで他のウェアウルフが出たらマジ死ぬわ……

 これからどうすっかなぁ……どうすれば元の日本に戻れるのか……

 転生とかじゃなければ大丈夫なはず……大丈夫だよな?生きてるよな?五体満足で心臓動いているよな?あ、なんかますます不安になってきた。

 とにかく、今はこの身体で生きないと……じゃないと、帰る術どころか見知らぬ土地でチーンは嫌すぎる。

 よし、やってやる!最強に俺はなる!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ