表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

9話 もうひとつの影

「さて…」

白髪の女の子は鋭い目線でカゲ人間の方を睨みつけてた。

また、カゲ人間も2人(1人は倒れているが)の方を見ていた。

「ア…………ア……」

ゆっくりと2体のカゲ人間は不自然な歩き方で2人の方へと歩き始めた。


「……やはりか……。」

白髪の女の子は2体のカゲ人間を見て、そう呟いた。


そして…


白髪の女の子は、その脚力でカゲ人間の懐まで一気に距離を詰め、手に持っている漆黒に纏ったその剣で、上から下へと振り下ろした。

1体のカゲ人間がキレイに真っ二つになる。

そして、すぐさま白髪の女の子は次の標的となる、もう一体のカゲ人間の方を向き、勢いそのままで右薙ぎの一撃。

ここまでの動きは5秒もかかったのだろうか…。

まさしく電光石火の一言。

カゲ人間は自分が斬られたのに気づいていないだろう。

そのくらいの早業だった。


2体のカゲ人間がだんだん消滅していく。

それと同時に、空がだんだんいつもの青空に戻っていく。

それを確認した白髪の女の子はホッと胸を撫で下ろして、カゲ人間がいた先の方を見て、

「もう大丈夫よ…。よく頑張ったね」

とても愛らしくて包み込むような暖かい声でその先にいる、もう1つの影に話しかけた。

その正体は1人の女の子だった。


制服を来ていて、少しどこか幼いそんな女の子だった。

だけど、その少女に白髪の女の子のその声は届いていなかった。

手足はガクガク震えており、気は動転し、怯えている、そんな状態だった。その状態を白髪の女の子は見て、

「あちゃー。カゲ病か~。…えーとカゲ病の対処法どんな感じだったけ…」


カゲ病と呼ばれるカゲ人間が原因となって引き起こる、一種のうつ病であるが、大まかなメカニズムはわかっていない。その耐久性は人それぞれ違うが、病状はまさしくその少女が今なっている状態が典型的だ。


どうしようかと悩んでいた白髪の女の子だったがあることに気がつき、逆の方へと失神して倒れている稔の方へと行った。

そして、稔のところに着き白髪の女の子はなにもためらいもなく、

「えいっ!」

「痛い!!痛い!!痛い!!痛いから引っ張らないで!!てか、眩しっ!!」

おもいっきり白髪の女の子は稔の頬を引っ張った。

その結果、稔は無理やり起こされた。


「ハァ…ハァ…なんかもっとましな起こし方とかなかったの…?」

引っ張られた頬を稔は擦りながら、稔は少し自分がしたことに反省しているように見える白髪の女の子に言った。

「そ、そんなことより、あなたってカゲ病の対処法わかる?」

「いやいや、話そらさないでくだ…」

「そんなことはどうでもいいからわかる?」

「よくねぇーからね!」

と、言いつつ、稔もある程度察していた。

こう、無理やり起こされて、しかもカゲ病の対処法を聞いてくるあたり…。

「…人がいたのか…?」

「そうなの!だから早く早く!」

なんかもうその人が誰なのかわかってしまった…。


稔はその人がいるところまで行った。

「はぁ…やっぱり…」

稔はため息をついた。あの時、心当たりがあったときから、そうなりそうな予感はしていた。


「……?もしかして、知ってる人?」

白髪の女の子が尋ねてきた。稔は申し訳なさそうにその少女の事を言った。


「はぁ…こいつの名前は河野咲希。ただの幼なじみです…」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ