創
血も涙もなかろうと、この心は人の死に加担したがる。同時に、遠ざけたくもあるのだ。表裏一体の世界の中の自分達に出来る事があるとすれば、夢を見させ続ける事並みに他ならない。
電車と墓地の間の坂草の上で寝転んでいた。眠りに入ると同時に眠りから覚めるというのは、何処か繋がりを感じる。
電車は来ない。仕方なく墓地の位牌を見て回る。誰の墓地なのかははっきりしない。そこから一風変わって夜になる。誰か大切な存在と共に自転車で夜道の道路坂を全力で下った結果、警察の厄介になる。どうやって止まったか?何かを見たような…。
世界は黒々とした神に壊されていた。歓喜する者、慌てふためく者、立ち直る者も挫折する者もいる中で、自分が起こす何時もの選択は二つある。立ち向かって死ぬか逃げる可能性を掛けて死ぬかだ。そして、生きたいと願った時目が覚める。
死を体感したい。そう願うと眠っているのに眠りについた。時が経つと居場所は無くなっていた。知る者もいない。元々いないのだが、大切な存在の事を追い続けていたはずだ。
ダンプカー内には仲間がいた。窓から顔を出して重火器を片手に何処に向かう。現在は自分がよく知る公園前だ。そこから先は無い。
一度走り出した世界とは止まらぬものだ。しかし終わりを願えば己が望む結果だけが現れる。木々の生い茂る森の中、川沿いの人達、そして戻るは見慣れた墓地だったか?自分は見慣れた学校も想像した。現実とは似ても似つかない出来事だ。その中に望んだ存在を想像する。ただ一人の少女だ。
何処までも続く長い道路の終わりに、生きる人の笑顔があった。
氷河の島で全ては既に始まっていた。