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私の匂い〈外伝〉  作者: 胡蝶蘭
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私の成長(?)

少女のその後とは?

どうして私にパパはいないの?


幼心にお母さんに聞いた事があった。

決まってお母さんは困ったように笑って、パパはいないの。でもきっと星になって空の上から見守ってくれているよ。と、わけのわからない事を言った。


長い年月がたち、私も中学生になった。

最近、料理を覚えて自炊をしている。もちろんお母さんと私の2人分。中学生って言うより、もう主婦だ。


中学生といえば部活だと思う。まわりが楽しそうに部活見学してるなか私はまっすぐ校門へと向かう。部活には入らない。

学校から徒歩30分、家からは15分のそのコンビニで私はアルバイトをしている。年齢は当然のように詐欺してある。お母さんもそろそろ夜の仕事は厳しい年齢のはずだ。一時的に収入がなくなるかもしれない時の為にお金を貯めておいて損はない。


制服のままコンビニに行っては中学生という事がばれてしまうので、一旦家で着替える。バイトの制服を着て、上にパーカーを。ナチュラルにメイクをすればある程度大人ぽく見えるからバレる心配はない。

夜の為にご飯を炊いておくのも忘れずに。


暖かかった昼間とは違い、夕方は風が冷たく、まだ春先である事を告げている。


バイトは6時から9時までで時給は780円と微妙。土日は休憩30分を除けて12時30分から9時まで。週6ででてるためバイト代はそこそこ。休みは水曜日。

担当はレジ。品出しとかも色々あるけど重労働って感じじゃないから体力的には余裕。


今まで9時までに寝ていたけれどバイトが9時に終わるからお母さんとは入れ違い。最近寝るのは11時30分頃。最初は朝眠くて仕方なかったけど、今ではだいぶ慣れた。いくら課題の途中でも11時30分には絶対に布団に入る。残りは朝やってしまう事にしている。

夜の為におかずをつくり、お母さんの為に軽食を。そんな事をしてるいるとあっという間に7時30分になる。


家の戸締りを確認して、誰もいないお母さんの部屋を覗く。

玄関の鍵をしめると、私は何も言わずに家をでた。


お父さんがいたらもっと違う生活だったのかな...。なんて考えても仕方ない、頭からバカみたいな考えをふり消す。この疑問はタブーなのだ。


でも...。そう思うのをやめられない私は、まだ子供だと言うことだろうか。

やりたいことは基本出来ない、ずっと我慢ばかりしていると自分が何をしたいのかさえも見失ってしまう。


「助けて」、たった一言が言えないまま。この感情に気付けないまま。

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