表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/103

第九十六話 和

「第一回!」

「水泳部主催!」

「お菓子作り対決―――っ!!」

「「「イエ――――――イ!!!!」」」

 ……なんだこの異常なテンション……。

「第一回お菓子作り対決。司会は水泳部一年、松田がお送りします!」

「解説は同じく水泳部一年ー、石井ですー」

「この勝負は次期マネージャー候補、古木さんと水泳部の誇る二次元オタクの代表格、杉田との戦いとなっています。この二人は、保育園の頃からの知り合いだということで、積もるものもあるのでしょう。特に古木さんの方は気合いが十分です!」

「ここ数日見ているだけでもー、古木さんの執着心はー、よくわかりますからねー。いつも一緒にいるー杉田への嫉妬心がーこの勝負へと駆り立てたんじゃないでしょうかー」

 お前たちは一体何の話をしてるんだ?義人のお菓子作りの才能に嫉妬した保護者が、義人を越えるために勝負を仕掛けたんだろ?

「そして全く理解していない当事者、試食者にして採点者、みっちゃんだーーっ!!!正直ウゼーーーッ!!!」

「「「ウゼーーーッ」」」

 集団での言葉の暴力!?ひどい!!

「さあ、試合開始ーーーっ!!!」

「「「イエ――――イッ!!!」」」

 ……とはいえ、お菓子はもう作って持ってきてあるんだけどね。



「まずは先攻、古木さんのお菓子だーーーっ!!!」

「「「おおおーーーーーっ!!!」」」

 いちいち盛り上げんでいいから。

「私のお菓子、それは……わらびもちです!!」

「ほう」

「おおっと古木選手、和菓子で攻めてきたぞーーっ!?解説の石井さん!この作戦はいかがですか!?」

「三井はあんな風ですけど甘党ですからねー。作戦はいい感じじゃないでしょうかー」

「そうですか!さあ早速試食に入ったみっちゃんの反応は!?」

「……旨い」

「やった!」

「反応は上々だ―――っ!!!」

「では古木選手!調理法の説明をどうぞ!」

「片栗粉を水で溶き、レンジの弱で一分ずつ、取り出してかき混ぜる作業を繰り返します!それだけでわらびもちは完成します。きなこは大豆をすり鉢ですって砂糖を混ぜたもの、あんこは小豆から煮詰めて作ったものです!」

「意外とお手軽メニューだーっ!!!きな粉もあんこも市販のものを使えばさらにお手軽!皆さんもぜひ作ってみよう!」

 ……うるせえ。静かに食わせてくれ。

「しかしこのわらびもちは旨いな」

「ありがとうございます!」

「きな粉ともあんことも相性が抜群だ。よくやったな」

「ふふふ、先輩……うれしいこと言ってくれるじゃないですか!」

「みっちゃんの古木さんへの好感度が上昇ーーーっ!!!攻略の日は近いのかーーーっ!?」

 ……攻略ってなんやねん。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネット小説ランキング>現代コミカル部門>「ええじゃないか」に投票   ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ