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第九十五話 発端

「先輩!私、ケーキを作ってきたんです!食べてくれませんか!?」

「悪いが、その展開は義人で経験済みだ」

「うわ、杉田先輩……空気読んでくださいよ」

「なぜ過去の行動で「空気読め」なんて言われないといけないんだ!?」

「それは……義人だからさ」

「理不尽だ!誰か!苛めの現行犯がここにいますよ!通報してください!」

「もしもし。高校生なのに十八禁のゲームをしている犯罪者がいるんですけど……」

「旦那!?そんな通報しないで!事実だけどみんなやってるじゃん!!」

「お前の言うみんなは、どこの二次元に住んでいるんだ?」

「うちのクラスの二割はやってるぞ!?」

「……やばい。激しく転校したくなってきた」

「うち女子が数名だよー」

「神様!俺に安息の地をくれ!」

 おかしいだろ!なんだこの高校!?いまさらだけど!

「はいはい先輩。ミニコントはいいからケーキを食べてみてくださいよ」

「……やけ食いして忘れよう」

「どうぞー」

「そもそも俺へのいじめ未遂が発端なのをわすれてませんかー?」

「いただきます」

「無視も立派ないじめですよー」

「むぐむぐ」

「どうですか!?」

「……なんかぱさついてるな……義人の作ってきてたケーキのほうが上手かったな」

「杉田先輩。何考えて生きてるんですか?あなたの存在意義がわかりません」

「ちょっと!?俺何か悪いことした!?」

「いやいや義人。お前は料理が得意という立派な特技がある。十分に存在意義があると言えるだろう」

「……だけど……」

「努力もするしな。正直お前には感服することが多々ある。何より義人はいいやつだ。俺が保証する」

「……旦那……」

「……ぽっ」

「高城さん!感動すべき場面でほほを染めない!それだけでBLに近付いちゃうから!腐女子の喜ぶ展開みたくなっちゃうから!」

「…………」(ゴゴゴゴゴゴゴ)

 保護者から負のオーラが立ち上ってる!?なんだ!?何が起きている!?

「……やはり杉田先輩は私の生涯の敵のようですね……」

「俺、何もしてないよね!?ちょっと前にケーキを作ってきただけだよね!?」

「しかも旨いやつをな」

「……いいでしょう。こうなったら料理勝負です!」

「は?」

「明日、各自で好きなお菓子を作って持ってきて、食べ比べて勝敗を競うんです!」

「ジャンルが違えば味比べなんてできんだろ」

「そこは気合いです!」

「……採点するのは?」

 嫌な予感がひしひしと伝わってくる。こういった時の俺の悪い予感はよく当たるのだ。忌々しいことに。

「もちろん先輩です!」

 ……やっぱり。

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