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第八十五話 秘密

「ああっ!!」

「どうしたのー?持病の水虫でも悪化したー?」

「違うわ!水虫なんて持ってねえよ!」

「なら急に奇声を上げたのはどうしてー?」

「健康水泳部だよ!健康水泳部!創設しようって言ってただろ!?」

「…………?」

「おい!言いだしたのは石井だろ!」

「……もちろん覚えてたよー」

「忘れてたな!?そうなんだな!?」

「どうやって作ろうかー。顧問は見つからないしー」

「堂々とスルーするとはなかなかやるな!まあいい!大目に見よう!」

「まずは小倉さんの説得から始めようかー」

「いきなり、かなりの難題だな」

「ポケモンでコイキング六体でチャンピオンを倒すくらいの難題だねー」

「不可能だろ!」

「裏技を使えば楽勝だよー」

「小倉さん相手に裏技!?」

「そう裏技ー」

「そういえば昔小倉さんを脅してたな、石井は」

「脅すだなんて心外だなー。交渉しただけだよー。弱みを握ってー」

「世間一般ではそれを脅すというのだよ石井君」

「じゃあどうしようかー」

「そもそも小倉さんの弱みって何を握ってたんだよ。激しく気になる」

「ただの買い物風景を写真に撮っただけだよー」

「……まさか小倉さんが日本刀を秘密裏、もちろん非合法に購入していたとかか……?」

「三井―、物騒にもほどがあるよー。小倉さんのことをなんだと思ってるのー?」

「ヤ○ザ……いや、極道」

「三井が小倉さんをどう思ってるかよくわかるねー。フォローになってないしー」

「なら一体何を買ってたんだ?」

「知りたい―?」

「物凄く知りたい。このままじゃ夜も眠れないほどに」

「2ちゃんねるで夜を明かすってことー?」

「違うわい!俺は2ちゃんねらーじゃねえし!」

「で、写真だけどー」

「ふむ」

「ぬいぐるみだよー」

「……は?」

「くまのぬいぐるみを小倉さんが買っている写真ー。頬ずりしてたのもあったけどー」

「……娘さんのプレゼントにでもするために買ったんだな!うん!そうに違いない!」

「小倉さんの趣味だよー」

「やめてくれ!」

「小倉さんの車には普段からぬいぐるみがたくさん置いてあるんだよー」

「嘘だ!だって俺たちが乗った時はそんなのなかったじゃないか!」

「それは隠していたからだよー。自分でも趣味が合わないって理解してるんでしょー」

「……それであの時、写真を見せられて硬直したのか……その写真見せてくれ。見たくないけど見たい」

「ネガを渡しちゃったからもうないよー」

「なぜ!?」

「交渉は弱み一つにつき一回までー。これが僕の信念だよー」

「脅迫しないという信念をまず持つべきだ」

「だから今は交渉材料はないなー」

「結局、健康水泳部立ち上げはまだ無理か」

「そうだねー」

「しかし小倉さんとぬいぐるみか……不気味で夢に出てきそうだな」

「そうー?」

「眠れんかもしれん」

「ニコニコ動画でも見て夜を明かすのー?」

「俺はニコニコ動画の中毒者じゃねえよ!」

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