第七十四話 プロ野球
県大会に向けての調整練習後。
「みんなは野球どこのファン?」
「なんだよ、松ちゃん。藪から棒に」
「いやあ、今年はパ・リーグがなかなかの混戦で面白いからさ。野球の話題で盛り上がろうぜ」
「あいにくだが、俺は野球に興味はないな」
「僕も同じく」
「浜ちゃんとマサは野球は観戦しない派か」
「そもそもルールがわからんしね」
「それはもったいない」
「俺もそう思うぞ」
「そうか……そのうち野球中継でも見てみるわ」
「そうしとけ」
「で、スギはどこの球団が好きなんだ?」
「東京読売巨人軍だ」
「ああ、あの金満チームか」
「人聞きの悪い言い方はやめようぜ旦那!大体旦那は前から知ってるだろ!」
「いや、なんとなく言わなきゃならん気がして」
「そんな気は、かめはめ波と一緒にでも大気圏の外まで飛ばしてしまえ!」
「かめはめはー」
「やる気ねえなあ、おい!」
「まあまあ、スギ。落ち着け。好きな選手は誰だ?」
「打てるキャッチャー阿部と、燃えるセットアッパー豊田だ」
「打たれるキャッチャー阿部と、炎上するセットアッパー豊田か」
「だから旦那!変なフレーズつけるな!」
「少し変えただけじゃないか」
「その少しで駄目ダメな選手になっちゃうから!」
「そう言うみっちゃんは、どこのチームのファンなんだ?」
「東北楽天ゴールデンイーグルス」
「……また微妙な」
「どこが微妙だというんだ」
「愛知県人なのに東北の球団応援してるとこ」
「まあ、それは置いておいて」
「結構地元球団は重要だとは思わないか」
「思わない。ドラゴンズはあんまり好きじゃないんだ」
「そうなのか?」
「ああ。山本昌とか岩瀬とか堂上兄弟とか浅井とか谷繁くらいしか好きな選手がいないから」
「多くないのか、それ」
「俺は楽天のたいていの選手が好きだからな!この程度ではまだまだ」
「……そうか」
「なんだそのテンションの下がり具合!?」
「ごめん。かなり引いた」
「そっちからネタ振りしたくせに!」
「旦那は何事もやりすぎだ」
「そんなことないだろ」
「楽天が球団新記録作るたびにメールしてくるのはやりすぎだと思うんだ」
「だって、球団新記録は大したことだぞ?」
「球団創設から歴史が浅いんだからすごい量になっているんだが」
「……それについては気持ち謝ろう。まだ続けるけど」
「続けるのかよ!?」
「それについてはほどほどにしておけよ、みっちゃん。別に俺じゃないからいいけど」
「何気に見捨てられてる!?」
「まあ義人。今年も楽天ニュースに付き合わせてやる。光栄に思え」
「……拒否権は?」
「そもそも俺の中で、お前には人権が与えられていない」
「ひどっ!!」
「ただし楽天ニュースを受ける義務はある」
「横暴だ!!」
「いいじゃないか」
「興味ないことに付き合わされるのってしんどいんですけど!」
「運命だよ」
「格好よく言っても俺の運命は変わらんのだろ!?」
「当然だ」
「理不尽だー!!!」
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