第五十四話 閉幕
「……以上をもちまして、前期クラスマッチを終了いたします」
名勝負あり、ハプニングあり、悲劇ありのクラスマッチもついに終わり。一年七組は総合八位(全24クラス中)と大健闘。一年では一位だった。準優勝という俺の予想をはるかに上回る結果(清水を筆頭とする数人は「順当だ!むしろ優勝できなかったのがおかしい!」と負け惜しみを言っていたが)を残したソフトボールとベスト8に残ったドッヂボール、敗者戦で見事勝利したバスケなどが点数を稼ぎ、最高の結果となった。
「……なお、生徒会長がまたよからぬ計画を立てていたので粛清しておきました。ここで副会長である私が挨拶しているのは、そういう理由です。ご理解ください」
……あの頭のねじが一本外れている生徒会長がいないのはそういうことか……。黙祷しておこう。ご冥福をお祈りいたします。
「これでクラスマッチは終わりですが、原則として打ち上げは禁止となっています。もしやるならこそこそと、できる限り気づかれないように計画してください。なにかあったら学校に連絡が来ることは目に見えていますので、必要以上に騒がないように」
なるほど。了解した。
「続けて生徒指導部長である小倉先生から話があるそうです」
小倉さんの話か。また叱責かな。やめてほしい。怖いから。
「えー、二日間、皆よくやった」
ん?指導とかじゃないのか。小倉さんが褒めるとは。
「ゴミのポイ捨て等の報告がほとんどない。これからも意識して行動するように」
そっちか。
「水泳部は活動があるので休まないように」
あるの!?クラスマッチ直後なのに!?
「といっても二キロだ。安心しろ」
安心できるか!この疲れた状況じゃ泳げんわ!怖いから行くけど!
「短距離練習中心だ。喜べ」
喜べねえよ!鬼!あんたから血の匂いが漂ってくる!
「ほかに連絡のある先生方はおられますか」
「あー、柔道部もあるから来るように」
「バレー部もあるぞ」
「第二グラウンド集合だ、ラグビー部」
ぶーぶーという生徒からの大ブーイングのなか、クラスマッチは終了したのだった。
「ベスト+三秒以内で五十メートル十本やってこい。それが終わったら、上から(飛びこんで)二十五メートルベスト+二秒で泳げ」
「……旦那いけるか?」
「無理だろ」
断言できる。
「マサとかは?」
「バスケ組の運動量なめんなよ!」
「それは泳ぐ体力が残っているという意味ととらえていいか?」
「もちろん、もう走りつかれて泳げないという意味だ!」
「……だよな」
全員で小倉さんを説得し、なんとかメニューの量が減ったのだった。
水泳部の団結力が5上がった!
「旦那、なぜRPG風?」
「そこは突っ込むな」