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第四十六話 バスケ

コメディー要素少ないです。すいません。

 一年七組バスケットボールチーム<淫靡な紫インディセントパープル>は、優勝候補の一角を相手に善戦していた。五人全員がミニバス経験者とはいえ、現役バスケ部三人をスターティングメンバーに含んだ二年四組<深緑の無法者アウトローオブダークグリーン相手には分が悪い。そこで義人たちは一計を案じたのだ。

「しかしまさかここまで競るとは、正直思わなかったぞ」

 ハーフタイム(10分X2で、間に二分の休憩)で俺は義人に話しかけた。

「まさか二人の司令塔ポイントガードで攻めるとはな」

 一年七組の作戦とは、<ディフェンス面では経験がものをいって勝ち目はない。だったら点の取り合いに誘ってバスケ部以外にシュートを打たせる機会を増やし、ミスさせる>というものだ。攻撃面では、身長165センチ弱の義人と身長175センチ強の石井の二人が司令塔ポイントガードとして敵を攪乱していた。低いドリブルから広い視野で空いた味方にパスを回し、敵がドリブル突破を警戒して下がれば三点シュート(スリーポイント)を狙う義人。ゆったりとした動きながら幻惑のドリブルで敵を翻弄し、自らもダブルクラッチなどの技で点を取りに行ける石井。この二人の息の合ったコンビネーションで敵を惑わせていた。それ以外にも中距離ミドルレンジからのシュート成功率が七割を超えている浜ちゃんなど、それぞれの個性を十分に出してプレーさせる技術に優れた二人は、攻撃面では相手に通用していた。バスケ部が誰かを事前に調べ、マッチアップを計画していた石井個人の功績も大きく、今のところ28-22と立派に試合として成立していた。

「ただー、警戒は必要だよー」

 石井が息を切らせながら指摘する。

「相手はー、なんてったって現役なんだからー」



「紫三番!チャージング!」

 石井の不安は的中した。相手はその優れたディフェンス技術で、ファウルトラブルを誘ってきたのだ。ルール上ファイブファウルで退場となるバスケで、五人だけしかいない一年七組は一人でも欠けたら四人で戦わなければならない。そしてドリブルが多い司令塔ポイントガード二人がその被害に直にさらされていた。義人は三つ、石井はこれで四つ目だ。試合は残り十分近く残っている。

「これは、万事休すか……」

 退場を恐れ、ドリブルで攻めきれなくなった石井にバスケ部二人がダブルチームで襲いかかる。運動量が多かった石井はもはや虫の息となっている。どう考えてももう終わりだ。敵チームの応援にも熱がこもり、こちら側は暗い雰囲気が漂っていた。

「負けるのか……」

 おそらく誰もが一年七組の負けを確信したであろうその時、義人が三点シュート(スリーポイント)を決めた。この状況下でなお、義人は全力でプレーしていた。点差はこれで五点に縮まった。ここで敵の攻撃を止めればまだ勝ち目はある。そう確信した目で俺の方を見た。どうやら奴はこのまま負けるのを潔しとしないらしい。

「がんばれーっ!!義人!!一年七組!!」

 できる限りの大声で応援する。それこそ敵が怯むような大声。そしてその怯んだ隙を待っていた義人がすかさず迎撃インターセプト。速攻を決めて三点差。

「まだいける!!がんばれーっ!!」




 健闘むなしく一年七組は六点差で負けた。誰一人としてここまで競った戦いになるとは思っていなかっただろう。だからその結果自体はよかったのだが……。

「がんばれーっ!!……か。三井、お前結構熱いやつだったんだな」

「まだいける!!……か。かっこ良かったぜ、三井」

「……お前ら五月蠅い。黙れ」

 大声を出した代償として変なイメージがついてしまった。

「変なイメージじゃなくて本性が出ただけだろ。旦那が隠してた」

「……お前のせいだろうが。少しは払拭するの手伝え」

「だが断る!!」

 ……失敗した。


腹痛で一日動けない状態で書きました。つまらないようでしたらごめんなさい。……でもたまにはこういう話もいいんじゃないかとも思ってます。

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