第三十四話 編成
クラスマッチの登録票には、名前、ポジション(暫定)、利き腕、所属する部活、この人を表わす一言(これはクラスの別の人が書く)、自分のアピールポイント、最後に一言(これは本人が書く)とこれだけを書かなくてはならない。登録したら全校生徒のそれをまとめてクラスマッチのパンフレットとしてクラスに一部ずつ配布されるらしい。……滅多な事は書けんな……。
わいわいがやがやと相談して完成した、その登録票(ソフトボールに出場するメンバーのもの)を見せてもらった。……なんかすごいことになっていた。
〜例1〜
投手 <生きる伝説> 清水 右投右打 ラグビー部
おそらく北高最速の剛球とラグビーで鍛えたパワー
「目指せ全国!俺がいるからには打たれはしない!フォーエヴァー・ラヴを俺に!」
スケールでけえ!生きる伝説って誰が書いた!?
……フォーエヴァー・ラヴ……全くソフトに関係ねえ!!っていうかだせえ!!
〜例2〜
捕手 <不運属性> 深谷 右投右打 野球部
野球部では投手もこなし遠投100メートルを超す強肩
「清水の球を受けるのが怖え。じゃんけんをやり直してくれ」
……野球部でも清水の球は怖いのか……。ドンマイ。不運属性って言ってやるなよ。
でもじゃんけんは二度とやり直さない。俺はまだ死にたくない。
〜例3〜
遊撃手 <超俊足の斬り込み隊長> 柳 右投左打 野球部
50メートル走6秒を切る快速
「一番バッターとして塁に出てかき回す。じゃんけんに勝ってよかった」
……身体能力高え。
〜例4〜
右翼 <文武両道> 原 右投右打 卓球部
獣医を目指す文武に優れた野球経験者
「怪我だけはしたくない。深谷君ドンマイ。でも捕手は変わりません」
……ほんとにみんな清水の球受けたくないんだな……。
〜例5〜
控え <しゃくれ> 佐々木
しゃくれ!?
〜例6〜
控え <佐藤先生の天敵> 玉野
宿題は出せよ、玉野。
こんな感じでみんな書いてあった。最後に俺のも追記しておく。
一塁手 <珍獣使い> 三井 右投右打 水泳部
特筆すべきところのないソフト経験者
「……この学校の生徒がおかしいのであって、俺は至って普通だ!!!」