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第三十三話 結成

「六月の初めにはクラスマッチがあります」

 朝のホームルームで、健三さんはそう告げた。

「クラスマッチの種目は男女合わせて七種目くらいあったと思います」

 <くらい>とか<思う>とか言うな。担任としてそれくらいは報告してくれ。

「詳しくはこの生徒会のプリントを読んでください」

 説明する気ゼロか。

「種目決めとか面倒なことはあなた方で勝手にやってください」

 それって職務放棄じゃないのか?

「では、あでぃおーす」

 そう言って職員室に帰って行った。……仕事しろよ。



「一人一種目必ず出ないといかんから、とりあえず自分のやりたい種目に集まってくれ」

 HR会長はそうやって、俺たちが出る種目を決めようと努力していた。担任があんなのだから、うちのクラスのHR会長はおそらく学年で一番忙しいHR会長だろう。……不憫だ。

「……よし、だいたいこんなものだな。この種目でみんな選手登録するけど異論はないな?」

 異論などあろうはずもない。あの担任にやる気がない以上、俺たちは自分たち自身でクラスの仕事をしているのだ。クラスの団結力は他のクラスとは一線を画している。仕事の進むスピードも段違いに速い。……まさかこれをねらって健三さんはあんな行動を!?



 そうして決まった俺の種目はソフトボール。ソフト経験者である清水を筆頭に、士気の高さはあやしい宗教団体並みの激しさだ。

「クラスマッチ優勝するぞーっ!!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」

「他クラス蹴散らすぞーっ!!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」

「全国大会出るぞーっ!!!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」

 ……いや、全国大会には出ないだろ……。

「花園行くぞーっ!!!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」

 ……いや、ラグビーじゃないから。

「古川さん、好きだーっ!!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」

 どさくさに紛れて告白!?

「童貞は悪くないーっ!!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」

 そんなカミングアウトされても。

「温泉は好きかーっ!!!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」

 だからなんだ。

「お前らうるせえ!!!」

「「「「「「おおぉーっ」」」」」」



 ……こんなんで勝てるのだろうか。

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