第百話 百話突破記念 勇者ミツイの冒険日記〜邂逅編〜
「朝ですよ先輩。起きてください」
「……おはよう保護者」
「今日から魔王退治の旅に出かけるんですから、早く着替えてください、見てますから」
「……早く部屋から出て行ってくれ」
「嫌です!」
<保護者はミツイに襲いかかってきた!>
「沸点低っ!!そんなんで敵に!?」
<保護者の攻撃。核>
「グロいよ!?周辺の被害を考えろ!!そして俺、木っ端微塵になるわ!!!」
<ミツイは9999999のダメージを受けた>
「……強すぎだろ……」
<ミツイは力尽きた>
「おお勇者ミツイよ!死んでしまうとは情けない!」
俺もあんなことで死のうとは思いもしなかったよ。ひどすぎる。そして保護者は強すぎる。奴を仲間に引き入れるべき……いやむしろ保護者自身が勇者として、魔王を倒しに行くべきだろう。間違いない。
「そなたにもう一度機会を与えよう!さあ、行くがよい!」
もう一度も何も、そもそも魔王退治になんて行きたくないんだが。誰か他の人……保護者とかに頼んでくれ。
「ふむ、不満なようじゃな……よろしい!そなたに三人の仲間を授けよう!」
それは助かる。俺は後ろで成り行きを見守る程度になるよう、強い仲間を希望する。
「例の三人を呼べ!」
<三人の仲間が現れた>
・仲間A ヨシト 遊び人
・仲間B イシイ 遊び人
・仲間C ケンゾウ 遊び人
「遊び人の割合高すぎだろ!?どんだけ遊びつくすつもりだこのパーティは!?」
「では行け!ミツイよ!」
「行けるか!?こんなんで魔王退治なんかできねえよ!」
「……それでも結局旅に出させられるんだな……」
「まあいいじゃないか旦那。気軽に楽しもうぜ」
「そうだよー。慰安旅行だとでも思ってさー」
「温泉行きたいですね。温泉行きましょう」
……早くも遊び人の本領発揮ですかこの方々は。
<モンスター、シミズが現れた>
序盤から出てくるとは雑魚扱いか。清水、ドンマイ。
「うがー」
言葉さえも話せないとは。知性がほとんどない設定……清水、強く生きろ。
<ケンゾウの攻撃>
おおさすが健三さん。空気の読めなさは天下一品だ。
<教師も趣味でやっています>
どんな技!?
<9999のダメージ>
強っ!勉強関連だから、清水にはクリティカルヒットだったのか。……成仏しろよ。
「強いな、健三さんは」
「そりゃあそうだ」
「だってー、健三さんはレベル100だしー」
「遊び人のレベル100って一体何したらなれるんだ!?人生を遊びつくしたとかなのか!?」
「私は授業中でさえ楽しくなることを優先的に考えてますから」
最低だこの教師!
「でもこれだけ強いなら健三さんに任せれば……」
「嫌ですよ。面倒くさい」
「世界平和のためです」
「自分の疲労の方が重要です」
最低だこの人!自己中の塊がここにいる!
「なら義人……」
「…………」(携帯で2ちゃんねる中)
「……石井……」
「…………」(ノートパソコンでニコニコ動画を散策中)
「……こんなまとまりのないパーティで魔王退治できるのか……?」
勇者ミツイの旅は始まったばかりである!
続く?
百話です!……ということで番外編書いてみました。続くかどうかは未定です。