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六話 オリン

遅くなりました(汗

「というか、トルシェ。私達はすぐには行けないですよ!今だって、まだろくに準備もしていないんですから!」


 それはそうだ、さっき自分で5~10年は連絡しか出来ないって言ってたのはどこのどいつだっ!?


 「・・・・・・そうだった!?」

 愕然とした表情で、そのまま動かなくなってしまった。


 「そうゆう訳でして、ミヤビだけは先に行くことになります。ただ、赤ん坊ですと、身の回りが何も出来ませんので、私達の筆頭侍女を行かせておきます。」


 すらすらと、さも当然のことのように話しているが、ディレさん・・・つい、さっき知った筈なのになぜあなたはそんなすぐ早く対処できてるんですかっ!?


 「・・・神ですから!(テヘッ」


 ご都合主義にもほどがあるわ!?


 「それではミヤビ。いつまでもだらだらしてたら、長くなるだけだから、すぐに送るわよ!」


 ちょ、急展開すぎるっ!?


 「じゃ、またあとで連絡しますね!・・・当分先ですが・・・」


 そして、だんだんと視界がボヤけていき、眠るかのごとくミヤビの意識は沈んでいった。


 「・・・あっ!?そう言えば、ディレ!ミヤビの名前は変更しなくていいの?」


 「・・・(汗」

 「ま、まぁ、どうにかなりますよ。地球の日本は名前や苗字は多種多様な国ですから」


 二人はそんなことを話ながら、準備を始めていった。




※※※※※※※※※※※※※※※


 まだ緑溢れる某町のはずれ。

 一軒家の一室の中にあるベビーベッドの上に寝かされているミヤビの姿があった。

 そして、数分してミヤビは目を覚ました。

 

 「・・・あぁ、本当に地球に戻ってきたんだ・・・」

 起きて早々故郷に帰ってきたような感想を呟く。


 この世界に戻ってくるとは思っていなかったミヤビ。

 だが、以前、転生してから、一世紀ぐらいはいなかった訳で、望郷の年が出てしまうのは仕方ないだろう。


 (というか、赤ん坊からとか無茶ぶりにも程があるよなぁ・・・)

 不満たらたらである。


 「おはようございます。ミヤビ様」

 「!!」


 まるでロボットのような無表情な顔をして、それでいてとても地球には絶対にいないであろう、とても容姿が綺麗である一人の女性が、いつのまにかベビーベッドの傍で立っていて、話しかけてきた。


 「多分、お話は聞いていると思いますが、今一度、自己紹介させていただきます。ディレ様とトルシェ様からあなた(ミヤビ)のお世話をおおせつかいました、某神式会社~ディレ・トルシェ会所属筆頭侍女のオリンと申します」


 急に挨拶してきたかと思えば、そのまま自己紹介をしてきたオリンに対して、未だに状況が把握できず、ミヤビは混乱してしまって声が出せずにいる。


 (というか、この人いつからここにいたんだ??)


 状況は流れるまま、ミヤビは冷静な判断が出来ずにいた。

 そんなミヤビを置いて、オリンはどんどん話を進めるようだ。


 「お二方からにはこちらもお話を伺っております。まず、いきなりの挨拶、申し訳ございませんでした。」

 「極力失礼にならないようにと仰せつかってましたので」

 「ば、ばぶ~(あっ、はい」

 「・・・そう言えば、赤ん坊ですので、喋れないんでしたね・・・そうしますと、ミヤビ様には不自由だと思いますので・・・」


 そうして束の間、オリンから光がミヤビに流れてきた。


 【念通話】獲得しました。


 『・・・これで会話が可能となるのですが、通じてますでしょうか?』


 なんとまあ、不可思議パワーである。


 『あっ、はい。大丈夫みたいです。』

 『そうみたいですね。それでは、今後のことについてご説明させていただきます。』

 『まだ、お二方は仕事か片付きませんので、その間の食事・掃除・洗濯などの家事全般は私が行います。』

 『その間、ミヤビ様はこちらの世界のある程度の勉強と魔法の練習がメインとなります』

 『なんで?今さら地球の勉強を?』

 『一応、前回から大きく年数が経っていますので、その間の出来事などはご存知ではないので、ある意味、一般常識の勉強だと思って頂ければ、幸いかと。』

 『な、成る程。』

 『付きましては、私が家庭教師となりますので、分からないところがありましたら、ご相談ください。』

 『ただ、本日はそろそろ日が暮れますので、ゆっくりお休み下さい。』


 そうして、窓から外を見てみると、オリンが言ったようにいつのまにか夕日が射し込むぐらいまで、時間が過ぎていた。


 『分かった。ただ、色々と考えなきゃだから、一通り考えが纏まってからにするよ』

 『畏まりました。それでは何かありましたら、お呼び下さいませ』


 そうして、オリンは部屋の中から出ていった。


 (・・・考えることがてんこ盛りだなぁ)


 そうして、夕日が沈んでいくのであった。

いつもお読み頂きありがとうございます。

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