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片翼を失ったモノが求めるものは  作者: のぶのぶ
終わりの 始まり
4/25

農作物共同開発プロジェクト関東地区検討会

予定を若干変更してお送りしております。



あー、紹介にあった通り、私が今回の研修を担当する稲村だ

一応中佐ではあるんだが・・研究者の一人でもある。



あー、今日から君達は、とある人物・・いや、人とは言えないなぁ、ありゃ・・

まー、ともかくだ。

その、対象の監視の任にあたってもらう事になる。場合によっちゃぁ捕獲や殺害・・なんてのもあるかもしれんがね。


そうそう。分かっているとは思うが、この研修内容は国家機密にあたる

ま、漏らすような馬鹿者は、こんなところに呼ばれはしないがね。




ふむ。では初めに

君達の監視対象は、特jdと呼ばれる物だ。


特jdとは


特別災害級生物 japan devil


の略だ

初めて聞くかね? それは当たり前だ。国をあげて隠しているものの一つだからね。


japan devilから連想されるように、あれは正に文字通りの日本産悪魔。つまりは古来から伝わってる・・いわゆる化物ってやつだね。



ん? ふざけているように見えるかね?


身長や体重は我々人間と変わらないのに、力・速さ・持久力は数十倍。更には、天候や地形を変えてしまうような、我々人間が持ち得ない力を持っているんだ

な? 化物と言うしかないのが分かるだろう?



ヤツらが初めてこの世界に現れたのは1997年

10年経った今では、日本国内で400体超。関東地区は特に多く100体以上を確認している。


ヤツらは通常、我々人間のような容姿へと擬態し、力を発動させる時に本来の姿・・あー、簡単に言うと、身長・体重は約1.5倍、角が生えて背中に翼、尻から尻尾に犬歯の異常的な発達ってトコだな。そのまんま化物になるのが分かっている。


また、個体によって変わるのだが、前にも言った通り我々に持ち得ない力・・まぁ、君達に分かりやすく[魔法]とでも言うかな。これはかなり危険だね

今現在確認出来ているものでも、火、氷、雷、竜巻、地割れ、融解なんかもある。



気を付けろよぉ? 本来の状態に戻った化物は、現時点の我々では絶対に敵わない

先に言った通り、身体能力の差がありすぎて格闘に持ち込めないんだ


更に悪いことに、銃は間違いなく弾かれる。いや、弾くと言うより・・止められる


防御術式とか言う薄い膜が身体全体を覆っているせいでもあるんだが・・外から来た運動エネルギーを、無かったことにされてしまうのではないかとの推論が立っている

まぁ、その理論が当たっているのならば、ナイフによる格闘なら有効だろうな。無かったことにされたとしても、また押し込めば良いと言うわけだ。・・残念な事に、相手が刺されるまで待っていてくれるならって前提がつくけどね。



と言うわけで、君達には戦闘を期待しているわけでもないし、ヤツらに対する有効打については引き続き研究してる。その後の展開に期待してもらいたいところだね。



ここまでヤツらの驚異について簡単に説明したけど・・何故人間に成り済まし、我々と同じ生活を送るのか。それについては定かではないんだ。

何か隠れた目的があるのではないか? そう思うのはなんら不思議な事ではないよな?



そう。君達にやってもらいたいのは、ヤツら化物の行動に対しての監視だ


化物を四六時中監視して、何をして、何を食べ、誰と話したか、人間にない行動をしていないかを逐一記録してもらいたい。



基本は二人ペア。地区毎にサブリーダーを置いているので、午前2時の時点で交代要員に引き継ぎ後サブリーダーへ報告するようにね

そうそう。監視対象が車や電車等で移動した場合は、すぐサブリーダーに報告してくれよ? 最悪の場合、包囲網を構築しなきゃいけない可能性があるからね


それと、監視に気付かれるリスクを減らすために、毎回監視対象とパートナーが変わるのは承知してほしい。化物以外でも、一般の人から怪しいって通報されたら・・ね? 揉み消すの大変だし。



以上だが、質問はあるかね?



ん? 気付かれた場合?

あぁ、その時は逃げてくれて構わないよ。君達の命だってタダじゃあない。税金で食ってるんだろ? 貰ってる以上の働きはしなきゃダメだよ。




なんてのは建前なんだけどね。


良いかい?我々はヤツらの情報が、まるで足りていない

さっきの監視内容もだが、戦闘に関することも・・ね。


サブリーダーからも厳命されるはずだけど・・何のためのペアだかを考えて行動してくれよ?

片方がもし戦闘状態に入ったとしたら、もう片方は戦闘内容を詳しく記録する。

そして、記録内容は死んでも報告すること。


あ、これ冗談抜きでね



さて、他に質問は?

と言うわけで、タイトルは偽装です。

国家機密にあたるので、盗聴や盗撮をしにくいように一般の会場を使用しています。

(上下同フロアは全て借り上げてダミー説明会が行われています。)


さて、ここで説明補足。

今回の研修は序章における殺害事件の起きる約3年前に行われていますが、監視自体は1997年から行われています。

特jdに関しての研究は、この研修の1年後・・研修を受けた者と、監視対象との戦闘行為の映像解析によって大きく前進、事件当初は対抗手段の試作が出来ている状態です。

ちなみに、この段階では魔法自体の研究はほとんど進んでなく、身体能力への力の発現等は想像すら出来ていません。

なので、研修中の説明では力などが数十倍とか言われています。


今現時点で公開できる情報はこんなところかな。

楽しんで貰えると幸いです。

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