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大切な場所  作者: 緋絽
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拉致と正体

緋絽です!

寮の部屋の中でため息をつく。

少ない荷物をまとめてベッドに座った。

今日の夜、ここを出る。

ミオが“光の属性神”の姿に戻ってゆったりと足を組んでいる。

『……本当に……行くのだな……』

「うん。もうここにはいられない」

『二度と会えないかもしれぬのだぞ』

「わかってるよ」

『…………本当によいのだな』

「いいって言ってるじゃん!!」

今までの鬱憤(うっぷん)が溜まっていたのか吐き出すように言った。

『……カナタにも……会えぬ』

チクリと心が痛くなる。

「仕方ないだろ」

ミオはため息をついてから口元だけで笑った。

美しい笑みだ。こんな時も、お前はそんな風に笑えるんだな。

『帰ったら神になる準備でもするのか?』

「まあ……それしかすることないし………」

『意外と天界は暇だからな』

「うん」

誰かがドアをノックした。

「はい」

ドアを開けると急に袋を被された。

「っ!?なんだっ………」

手を手早く縛られて引っ張られた。


少し歩いてから何かに座らされた。

誰もしゃべらない。何されるんだろう。まあ、痛いことだったらやり返すからいいけど。

「離せっ」

ん?今の声――――カナタ?

隣にカナタが座った。

数人動く気配がして身じろぎする。

「お前達は何者だ」

カナタが問う。

「我々はお前達の秘密を知っている者だ」

よく通る男の声。

でもなんか聞いたことがある。

触れ合った肌からカナタが震えているのが伝わった。

カナタ……?

「お前は誰だ………!!」

「お前達の秘密を………」

「違う!!なんで俺の声なんだ!!」

あ!!聞いたことあると思ったら!!

「それはわからないよ」

ドキッとなる。

別の男の声――――――。ぼくの声だ。

なんで………?

クスクスと笑った声。ダメだ、落ち着け。冷静になるんだ。

「ぼく達の秘密って………?」

「次期神と魔王であること。お前達の使い魔が光と闇の属性神であることだ」

「なぜ知ってる………」

「その前に答えろ。お前らは今晩、何をするつもりだった?」

「答える必要はない」

落ち着け。冷静に。

「そうか、なら」

また人の動く気配がして小さな叫び声を聞いた。

「キャア」

「!!レナ!?」

「助けて………リュカ……カナタ……」

「早く答え………」

縛られていた紐を引きちぎってカナタの声の男に飛び掛った。

飛びついて首の辺りに手を伸ばす。男が倒れた。

温かい人の首を軽く絞める。

「何を……っ、早く離………っ」

「レナを離せ!!」

両手で首を絞め、両足で腰を締め付けて動けなくさせた。

袋で何も見えない。

「うわっ」

ぼくの声の男が悲鳴をあげた。

「レナから離れろ………!!」

カナタの声。カナタも動いたのか。

フゥとぼくの声の男がため息をついた。

「もう、いいです。ガネル君もいいですよ」

あれ、この口調は………。

「はあ。リュカ、どいて」

ぼくの下にいる男の声がガネルに変わる。

「え?え?」

袋を取って首を絞めている男の顔を見た。

「ガッ、ガネル!?」

「ヒデェよ、リュカーーーー。死ぬかと思った」

「いやいや……なんで……3人が」

こんな事を?

「まさかこんな事するって思わないからこっちの方がビックリしちゃった」

「え?」

「まあ………ドッキリ大成功ーーー!!」

パチパチと拍手の音。

「え?え?」

「無視してたの、あれドッキリだよ♪」

石化する。はあーーーーー!?

「ところで、何しようとしてたの?」

「え?」 「さっき」

「えーーーーっとぉ………」

「何しようとしてたんですか?」

ワァ☆怖いよ、リ・ル☆

「……帰ろうとしてました………」

ガミガミと怒られた。

どうしてあなた達はそれしか考えないんですか!!とか、そもそも隠してたのが悪いんです!!とか鬼の形相で言われたけど、それが妙に懐かしくて、うれしかった。

次は夕さん!

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