酒と出来心
夕です!
今、ぼくはカナタの部屋にいる。
何で自分の部屋に居ないかって?
いたずらPart3の打ち合わせをするために決まってるじゃないですか。
「ただ謹慎!ってわけないよなー」
「まだまだ学園長もあまいよね」
ガネル達が帰っていったのを見計らってここに来た。
見つかったらただじゃ済まないもんな。
「で、何する?」
「ぼく達はここから出られないからなー……」
「誰かを使ってになるな」
じゃあ誰を使って?
2人してうーんと唸る。
Part1「リュカ女装大作戦」Part2「うつし鏡大作戦」ときてるからなー。
しかも素直に使われてくれる人なんているのだろうか。
「ガネルは?」
「いや、バカすぎて使えないな」
「そうだね」
レナとリルは使っちゃうまでの過程が怖いから却下。
「思いつかない……」
でも、いたずらはしたい。
と、そこへ。
『リュカ、何をしている?』
『カナタ、謹慎中ではなかったのか』
異空間からミオとギオウが現れた。
「「!!そーだ!!」」
『ど、どうした?』 『?』
見事にハモったぼくとカナタにビビリ気味のミオさん。
「ミオだっ」 「ギオウだっ」
…………………。
考えは同じなのに、どっちかでフリーズしてしまいました。
「ミオのほうが使いやすいって」
そんなぼくの意見に対して、カナタはニヤッとすると冷蔵庫からなにやらビンを持ってきた。
ドンッと机に置く。
ラベルには………。
「酒!?」
「そ。これを使っていたずらしよーぜ」
いや、その前になんでカナタはこんなものを?尋ねてみたけど、カナタはノーコメント。
「良いけど、どんな?まさかガネル達に…………」
「近いけど残念。飲ませるのは、こっち」
『それは、酒!!我にくれるのか!?』
異状に興奮しているのは、ギオウ。
「ギオウ?」
「ああ。こいつはミオのプリン並みに酒が好きなんだ。しかも、ゴニョゴニョゴニョ………」
耳元で言われてニヤッとする。
「それ、サイコー!!」
「だろ?ほら、ギオウにやるよ」
ぐびぐび酒を飲むギオウを見て、ぼくらは声を殺して笑った。
そして10分後。
ギオウは完全にできあがっていた。
次は秋雨さん!




