迎えと帰還
秋雨です!
「リューーーカーーーーぁっ!!」
セダが連れて行かれるところを見ていると、親父がとんできた。
「うおっ!」
条件反射でよける。
「へぶしっ………」
親父はぼくの後ろにあった木にぶつかる。
「危ないだろ!ぼくが怪我したらどうすんだ、バカ親父!!」
「父さんは怪我してもいいのかい?」
涙目で訴えてくる親父。まあ、そこはあえてスルーして。
「シルクー!ちょっと来てー」
「はい、なんですか?」
「速っ!」
ぼくが呼んでから1秒も経ってないよ!?
あ、いや、それよりも。
「シルク、親父ちょうど来たから連れて帰って」
「え゛?」
驚いた顔でぼくを見ている親父。
「わかりました。さあ、グリル様、帰りましょう」
「い、いや!絶対いやだっ!!」
親父がぼくにしがみつく。
あー、うっとおしい。
「グリル様、駄々こねないでください。はら、リュカ様困ってますよ」
困ってるというより怒ってるのほうが正しいかもね。
「天界には帰らない!な、リュカ。シルクに言ってくれ」
「帰れバカ」
「ええっ!?」
『ええっ!?』じゃねーよ。とっとと帰れ。
「リュカのバカっ!もう絶対に帰らない!!」
「子供か!」
「グリル様、早く帰らないと―――――」
「グリル様」
帰ろうとしないバカ親父を説得しようとしたシルクの言葉を誰かがはばむ。
誰だ?
声のしたほうを見ると、そこには天界にいるはずのベルが立っていた。
「げっ、ベル………」
親父がぼくの後ろに隠れる。
「グリル様、何をしてるんですか?」
「リュカのお守り」
「はあ!?」
「リュカ様、少しお静かに」
親父のバカな発言にビックリ。しかもベルに怒られた。
「で、こんなところで何をしているんですか?」
「だから、リュカのおも………」
「嘘はいけませんよ。本当のことを言ってください」
「嘘じゃないもん」
「そうですか………。まあ、嘘じゃなくても僕はどうでもいいんです。グリル様が仕事をしてくれれば」
あ、ベルがキレてる。
「ということで、帰りますよ」
ベルが親父を掴んでズリズリ引きずっていく。
「いーやーだーぁ。リュカーぁ………」
やがて親父は見えなくなった。
「行っちまったな、親父さん」
カナタがひょっこりと現れる。
「やっと静かになるからうれしいよ」
「………………」
2人とも黙ったまま。
「………帰るか」
「そうだね」
帰ろう、ぼくらの大切な場所へ。
次は緋絽さん!




