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大切な場所  作者: 緋絽
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使い魔と魔武器

今回から参加させていただきます。緋絽です!よろしくお願いします!

朝。学校に男子生徒用の制服を着ていくと、ああこんな感じなのかとみんな溜息をついた。

女子生徒の方から“キレイ”“美しい”的な言葉がちらほら聞こえてくるけど気にしない。

「席についてください」

ガラッとドアが開いてノウが入ってきた。

ガタガタと椅子に座る音がする。

「今日は使い魔と魔武器を出しますよー」

歓声が上がった。

「使い魔?」

「リュカーお前は何持ってんのー?」

カナタが肩を組みながら聞いてきた。

「ぼく持ってない。…え?みんな持ってるの?」

カナタがこの世の終わりと言わんばかりの顔でぼくを見てきた。

「ウソだろ!?去年の初めにはみんな授業で出したぞ!?」

「ぼく学校行ってなかったし」

「マ、マジで?」

「うん。魔武器も?」

「魔武器も。俺達も久々に使うんだ」

「ふーん」

「闘技場に集合でーす」

ノウが教室から出るとみんな急いで立ち上がって走り始めた。

「な、何してんの?」

「リュカ!!早く!!」

「え?」

「めちゃくちゃ遠いのよっカナタは転移できるけど、私達はできないから!」

「ぼくできるよ」

「そーでしょ!?だから急がな……え?」

「転移、できる」

「ウソ!びっくり!カナタ以外にもできる人っているんだ!」

3人が目を輝かせて言った。

「ほら、急いだ方がいいんでしょ?行きなよ」

「うん!じゃ後で!」

バタバタと走っていった。

「……大変だなー」

「だよな」

「カナタ、闘技場ってどこ?」

「外だよ」

「ぼく場所わかんない。今回だけ連れてって」

「えー!もー!」

「よろしく!」

ガシッと手を掴んで連れていってもらった。

パッと闘技場に着いた。

「覚えたか?」

「うん、ありがと」

「言ってみ?」

「ああ行ってこう行ってあぁ行く!」

「正解!ってわかんねえよ!」

「ははは」

「あれ?もう来たのか」

ゼハゼハと向こうからガネルが走っててきた。

「いや~転移っていいね!」

「な!」

「クッソー!」

リルとレナが走ってきた。

「きょ、今日こそっ先についてやろうと思ったのにー!」

悔しそうにレナが息をハァハァ吐いている。

リルは相当苦しいのか何も喋らない。

ノウが逆の方からゆっくり歩いてきた。

「いいですよね、先生達は」

「なんで?」

「先生たちも転移できるんですもの。私達は未熟だからできないんですけれど」

「へー」

人は見かけに寄らないってことかな。

「集合して下さーい!」

バタバタと生徒が集まった。

「使い魔と魔武器がない人はいますか?」

ヒュッと手を挙げる。

「使い魔……消滅されたんですか?」

「元からいません」

淡々と答えたのでノウはびっくりしていた。

「さ、昨年は何してたんです?」

「学校行ってませんでした」

「わ、わかりました。すでにある人は陣の書き方わかりますね?魔武器も出して模擬戦しといてください!3本勝負です!」

バラバラと生徒が散り始める。

4人は僕のそばに居る。

「何してんの?」

「どんなの出すか気になるじゃないですかー」

「えぇ?気にならないよ」

「まぁ、いいからいいから」

「リュカくん、こっちですよー」

「あ、はい」

ノウの方へ行くとみんなもついてきた。

「……………」

や、やりづれぇぇえ!

「これは基本的な陣です。こっちが使い魔用。で、こっちが魔武器用です」

「はあ…」

「使い魔は主人の魔力の質によって強さが決まります。頑張ってくださいね」

「はーい」

空中に文字が浮かぶ。

「これを詠唱して下さい。魔力を込めるのを忘れないで」

「了解です」

陣の上に立つ。

魔力制御用の指輪を2つ外す。(ちなみに5個つけている)

「“───我と契約する者。汝、我と共に歩まん───《使い魔召喚》”」

ドンと地面が揺らぐ。

なんだ!?

遠くでノウが叫んでいる。

「これは試験です!落ち着いてくださいね!」

強い風が吹いた。

「うわっ!」

目を開けていられなくなり、目を閉じる。

少し経って目を開けると丘のような場所に立っていた。

「………え…」

芝の上を歩いて崖になっているところから下を覗く。

「うわぉ」

この丘は空中に浮かんでいた。

他にも似たようなのがいくつか浮いている。

『お前が』

後ろに気配を感じて振り返る。

『私の契約者か?』

「……でなきゃここにいないだろう」

『確かに。ところで』

そいつは優雅な仕草でぼくの指輪を指差した。

ぼくの前に現れた奴は人間のようで、でもどこか人間離れした高潔な雰囲気があった。

姿形は人間か…。

『何故その指輪を外さない?』

「…何のこと?」

『とぼけても無駄だ』

鼻で笑われる。

『お前の魔力は他の者と同じくらいかそれより上の大きさだった。それなのに質は恐ろしいほどいい。…一体お前は何者なのだ?』

「…それ」

ガシガシ頭を掻き回す。

「言わなきゃ使い魔になってくんないの?」

『…そうだな』

「じゃ、言うから使い間になってね」

『なっ、何を言っ…』

「ぼくは」

ガシっとそいつの肩を掴んでにっこり笑う。

「次期神様だ」

ポカンとそいつは口を開けた。

『なっ、何…っ』

「さぁ、契約してくれ」

『~~~~っ』

笑って首を傾げてみせる。

「約束だろう?」

『次期神というのは本当なのだな』

「勿論だ」

フーと溜め息を吐いた。

『仕方あるまい』

強い風が吹いてそいつを取り囲む。

『私はミオ。光の属性神だ』

取り囲んだ風が上にあがって雲を散らす。

『ここは太陽に一番近い場所だ』

「ふーん。そう」

ミオが光の玉を持ってぼくに近付いた。

『お前、名は何という?』

「リュカ。───リュカ・ホーリーだ」

『そうか。リュカ、よろしく頼むぞ』

「こちらこそ」

光の玉に触れる。

風がぼくらの周りを取り囲む。

「あぁそうだ。ミオ」

『何だ?』

「みんなには次期神ってこと、内緒にしてるから、もっと別のものになってよ」

『え』

「風も使えるんだね?よし、風の猫…ウィンドーキャットのミオだ」

『ウソォ!!』

「ほら早く!」

『うぅ…』

ふっと体が浮く感覚がした。

「あっリュカ帰ってきた!使い魔見せろ使い魔!」

「はい」

肩に乗っているミオを見せる。

「ウィンドーキャットかー、いいなー!」

今、ミオは白くて羽がはえている手のひらサイズの猫になっている。

『ミオだ。よろしく』

「ほら、ミオ」

肩からどかして地面におろす。

「ちょっとみんなと一緒にいてよ。ぼく魔武器も作らなきゃいけないから」

『なっ、おいっ…』

「リュカくーん、こっちですよー」

「はーい」

走ってノウのところへ行く。

「これが魔鉱石です」

黒い石を渡された。

ツヤツヤしている。

「ヘェ…」

「魔力を流してください。自分にあった武器ができますよ」

強く石を握って魔力を流した。

眩い光が指の隙間から漏れ出して、さらに強く光った。

「わっ…」

少し経ってようやく光が収まった。

「ちょ、長剣ですか…!」

白銀の剣になっていた。

「剣か…」

「【純白】『変形』の力を持ちます」

「へぇぇ…」

「よーしリュカ!俺と勝負しよ…」

すぐさまミオを掴んで詠唱する。

「“───時間を繋ぎ我を導け───《転移》”」

次の瞬間中庭に移動する。

『一緒に戦わないのか?』

「うん」

ごろんと寝転がって目を閉じる。

戦うなんて面倒くさい。

必要に駆られた時だけでいい。

しばらく経った後。

「リュカ」

カナタの声がした。

「カナタじゃん。よく見つけたね」

「探したぜー。んで?勝負しねぇの?」

「だってぼくチン弱いんだむぉん 」

一瞬の間。

「「ブッハ!」」

同時に吹き出す。

ギャハハハハと笑い転げて動けなくなった。

「は、腹がヒクヒクする…っ」

「イテェェ…っ」

ハーハー言ってやっと落ち着いた。

「なー次は出ようぜ」

「んー」


次は夕さん!

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