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大切な場所  作者: 緋絽
27/62

文化祭と後悔

夕です!


なんだか最近学園中が慌ただしい。

「楽しみね」

「そうですね」「だなっ、俺なっ俺なっ」

例の3人もいつも以上にさわがしい。

なんかあるのか?

ガラガラ…と教室に入る。

「あっ、おはようございます!」

珍しいな、ノウがいる。

いつもはチャイムが鳴ってから来るのに。

「なーカナタ。なんでみんなテンション高いんだ?」

となりでまだ眠そうなカナタに声をかける。

「あ?んとな、ポスターがあったろ、2週間後にこの学園で文化祭があるんだ」

「へぇー」

文化祭かぁ。

ここの文化祭はとにかく規模がでかいんだよ。全校舎、闘技場も使ってするんだと。で、どんな出し物してもいんだけど、優勝したクラスには…」

「クラスには?」

「学園長から賞品がもらえるらしい。俺も初めてだからな、詳しいことは知らねーよ」

「ふぅん」

賞品は学園長からねぇ…。

あんまり期待しないほうがいいかもな。

――と、そこでチャイムが鳴った。

「…みなさん!この時期がやってきましたね」

「「おーっ」」

歓声があがる。

「今年は優勝できるように頑張りましょう。では、一時間目は話し合いをするので…」



―――――

「お化け屋敷…劇…劇、劇!このクラスの出し物は劇に決定ですね」

一番テンション高いノウが言って、みんなワーッと盛り上がる。

「劇だって、楽しみね」

「はいっ、とっても!」

「めんどくせー…」

「何言ってんのよ、カナタ」

「えー…リュカは?楽しみか?」

「まーね」

ちなみに、やっぱりガネルだけ席が離れてる。

「では、何の劇にしますかー?」

ノウが声を張り上げる。

生徒の一人が手をあげる。

「戦闘ものがいいでーす」

男子生徒の大半が賛成する。

すると次は女子が。

「恋愛ものがいいです!」

女子生徒の大半が賛成。

「…終わらねーな、こりゃ」

カナタがぽつりと呟く。

「だな」

ぼくもそう言った。ところで。

「決まりませんねー。…先生からの案ですが、2つをまとめるのはどうでしょう」

ざわざわ、ワイワイしていたクラスは一瞬シーンとなって…すぐに「それ、いーな!」とか、「決定、決定!」とか、一度でまとまった。

すごいな、ノウ。

生徒のあつかい、心得てやがる。

「おもしろそうですね、レナちゃん」

「そうね」

リルとレナも笑顔で話している。

―――で、結局決まったのは。

「…『お姫様vs王子様』?」

隣どうしの国のお姫さまと王子様。

小さい時から仲が悪かったふたりに結婚の話が。

王の命令で、いやいや結婚することになったふたりだが、うまくいくはずもなく。

毎日魔法のぶつけ合い…というわけわからん話。

「配役を決めましょう!」

配役は“姫”と“王子”と“その他”だけ。

“その他”に王とか兵士とかも入れるという適当ぶりだ。

「俺は“その他”だな」

「ぼくも“その他”でいーや」

ぼくとカナタは配役が決まっていく様子をぼーっと眺める。

机に顔をふせる。

「ぼく寝るから。“その他”にしといて」

最近いろいろあって疲れた。

ぼくはすぐ眠りについていた。

この眠りが最悪の事態を巻き起こすとは知らず。



―――――

『――ぃ、ーい、~おい!リュカ!』

「うー?」

ミオにべしべし叩かれて目を覚ました。

『リュカ、見ろ』

ミオは器用に前足で黒板を指す。

授業はもう終わったらしい。

「ん…?王…ガネル。ふーん、で?」

『その上だっ』

「姫………リュカぁ!?ちょっとカナタ!」

後ろの席を振り返る。

!こいつ…!

なんとカナタも寝ていた。

「おいっ、なんでぼくが姫なんだ!」

カナタを叩き起こす。

『おい、リュカ。王子のところ…』

ミオがそう言ったところでカナタは目を覚ました。

「カナタ!“その他”にしろって言っただろ!」

「…あー俺も寝てたのか。リュカが姫?いいじゃん」

また寝ようとする。

『王子…カナタになっているぞ?』

あきれた様子のミオがカナタをしっぽで叩いた。

「「え…?」」

ふたりで固まったところで、リル、レナ、ガネルがやって来る。

「よっ、姫と王子!」

「よかったわね、選ばれて」

「お似合いですよ。リュカ君は髪長いですし、ぴったりだと思ったんですよね」

あーなんとなくわかった。

ぼくとカナタ選んだのリルだ。

理由は、いつもより笑顔が黒いから。

「いけませんでしたか?いいですよね」


これからは授業中に寝ません!そう決意した、リュカとカナタでした。


次は秋雨さん!

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