プリンとケンカ
秋雨です!
「……なあ、あいつら、どうしたんだよ」
「ぼくに聞くな」
カナタの言う通り、なぜかミオとギオウの機嫌が悪い。
「なあ、ミオ。何かあったの?」
『知るかっ!』
「ギオウ、何かしたのか?」
『知らん』
とまあ、こんな感じで。
「本人達に任せるしかねーな」
「そーだな」
もうほっとこ。
ギオウside
我は悪くないぞ。あんなところにあったプリンが悪いんだ。
我は森に続く小道をとてとてと歩いていた。
だいたい、なぜプリンを食べただけであんなに怒る。
さっぱりわからんぞ。
――だが、このままも何かイヤだな…。
仕方ない。
我はくるっと方向転換して、もと来た道を戻っていった。
ミオside
『くそぅ、ギオウのヤツめっ!』
私は屋根の上に乗って怒っていた。
『なぜ私のプリンを食べたんだーっ!!』
いや、確かに私はプリンが恐ろしかったさ。だがな、結構楽しみにしていたんだぞ!?
『ギオウの、大バカ者がーっ!!!』
叫ぶだけ叫んでスッキリした。
『……帰るか』
私は屋根からおりて、リュカのいる教室を目指した。
レナside
「あー、つかれたー」
あたしは屋上で休み時間を満喫していた。
『レナ』
「ギオウ?どうしたのよ、こんなところで」
いつ来たのか、あたしの隣にはギオウがいた。
『その、頼みがあるのだが…』
「あたしに出来ること?」
『ああ』
「なら、言ってみて」
『あの、な……』
ギオウの話を聞いたときは驚いちゃったけど、あたしはOKした。
「じゃ、ちょっと待っててね」
ギオウを屋上に残して、ある場所に向かった。
――次の日。
「ギオーウ。どこー?」
『ここだ』
ギオウはすぐに出てきてくれた。
「はい、できたわよ」
『ありがとう。助かる』
ギオウにきれいに包んだ箱を渡す。
それを受け取ったギオウはリボンをくわえて歩いていった。
「うまくいくといいわね」
ミオside
あれからギオウと話していない。
――なんか、
『寂しいな…』
リュカもこんな気持ちだったのか?
ま、あの時の私達は相変わらず仲良かったがな!
『ミオー』
なんだ?ギオウの声が…。
『ミオー?』
今度はギオウが見える…。本格的にヤバい。
『返事くらいしろ』
『だっ!』
ギオウに頭を殴られた。
『ほ、本物…?』
『当たり前だ』
そこでギオウの隣にある箱に気づいた。
『なんだ、その箱』
『これか?これは、お前にやる』
箱を私のほうへ押してきた。
リボンをといて中を見てみる。そこには、
『プリン!』
『その、なんだ……すまなかったな、勝手に食べて』
『私もムキになってしまって悪かった』
2人はめでたく仲直りしたのでした。
「やっぱあいつらは仲良くなきゃな!」
「ケンカしてたらなんか変な感じだし」
「あたしに感謝しなさいよ?」
「「へーい」」
次は緋絽さん!




