人界と強制
どうも、秋雨です!
「へー、ここが人界か……」
人界に降りたリュカは、人混みの中を歩いていた。が、
「にしても…………、人多すぎじゃね!?」
リュカの言うように周りはどこ見ても人、人、人……。
リュカは人の大洪水(?)にのみこまれていった。
「たーすーけーてーくーれー…………」
と、いきなり腕を引っ張られる。
「うぉっ!」
リュカはそのまま人気のない路地に連れて行かれた。
「坊主、大丈夫か?」
頭上から男の声がする。
顔を上げてみると、ボサボサ頭の男がいた。
「あぁ、たすかった。ありがとう」
リュカは素直にお礼を言った。
「ところで、お前こんな所で何してんだ?今は学園にいるはずだろ」
「は?学園?何言ってんだ」
「見たところ14歳くらいだし……。もしかしてサボりか?」
「いや、だから何のことなんだよ」
男はリュカを無視して考えている。
そのことに腹を立てたリュカくん。
「ぐほぉっ!?」
男の鳩尾を殴りました。もちろん手加減して。
「ぼくを無視すんじゃねぇよ」
「だ、だからって、殴るなよ………」
男は鳩尾を押さえてうずくまっている。
「手加減しただけいいと思え」
「クソガキが…」
「何か言ったか?」
男はものすごい小声で言ったのだが、リュカには聞こえていたようだ。
黒い笑顔をしながら男に聞いている。
「何でもねぇ…」
男はため息をつくと立ちあがった。
「(うわっ、もう立ち上がれんの?回復力ハンパねぇ!)」
リュカが心の中で驚いていたのは内緒の話。
「んで、お前は学校に行ってんのか?」
「だから、学園って何?ってさっきから聞いてんだよ!」
「はあ?お前学園知らねぇの!?ってことは学園に行ってない……」
男はまた一人で考え出す。
「だーかーらー、ぼくを無視するなって…」
「よし、ついてこい」
男を殴ろうとして振りかぶってたこぶしを掴まれ、そのままどこかに連れていかれる。
「おい、ちょっと待て!こっ、こける!!」
いきなり引っ張られたリュカは何度かこけかける。
「うるせえ。黙ってついてこい」
「黙って欲しいなら離しやがれー!!」
リュカの叫びもむなしく、男は結局離してくれなかった。
そしてついたところは巨大な敷地の中にあるこれまた巨大な建物の中のとある一室。
男をその部屋の中に置いてある、偉い人が座っているような椅子に座る。
「さて、早速だが、お前は今日からここで生活してもらう」
「はあ?何勝手に決めてんだよ」
「ちなみに拒否権はない」
「(なら聞くなよ)」
内心でしっかりつっこんでおく。
まぁ、どのみちリュカはこの後どうしようとか思っていたわけだったので、
「わかったよ」
OKを出した。
「よし、決定だな」
こうしてリュカは学園生活を送ることになった。
次は、夕さん!