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大切な場所  作者: 緋絽
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天界と次期神

新しいリレー小説始めました!

トップバッターの夕です!

「ふざけんなっクソ親父!!」

長い銀色の髪をもつ少年は、壁をだんっと叩いた。

「リュカ!!」

前にいる父の顔が険しくなる。

少年の名前は、リュカ。

今、少し面倒なことになっている。

時間は1時間ほど戻る。



「リュカ、入るぞ」

自室にいた時のことだった。

許可もなく父が入ってきた。

まぁ…これはいつものことだ仕方ない。

「何?」

不機嫌にそう答えてはっと気づいた。

父はいつもニコニコ笑っているのだが、今回は違うようだ。

ピリピリしてるというか…。

「ど…したんだよ?」

「ん…あぁ…」

目を見ていつになく真面目に尋ねたのだが、父には曖昧に返された。

「用ないなら出てけよ?」

さっきまで頑張っていた本の解読へ戻ろうとする。

「今忙しいんだから…」

「リュカ…お前まじめに勉強することあったんだなぁ」

「うっさい!!」

本をバンッと閉じた。

「もう出てけよ!僕は本気なんだよ!!」

リュカの銀の瞳がチラッと金色へ変わる。

「すまん、すまん…用事はあるんだ」

父はリュカのベッドに腰をおろした。

「実はだな…今この天界と魔界の仲が大変悪い」

「いつもだろ」

父はわざとらしくため息をついてみせた。

「それが今回は特別なんだ」

「特別?」

少し興味のわいたリュカは本を乱暴に放り投げた。

「こらっ」

父に怒られ渋々拾う。

「で…天界と魔界がどうだって?」

「あぁ、仲が非常によろしくない。風の噂だが、魔王が人界へ逃げたらしいぞ」

「逃げたぁ~?」

面白そうな話だ。

リュカは父の隣へ落ち着いた。

「置き手紙残してな。で、魔界はピリピリしている。今にも天界へ攻めてきそうな勢いだ」

「は?それヤバイじゃん」

そうゆうも人ごとのようなのは何故なのか…。

「でも天界の方が強いんだろ」

今まで魔界に負けたという話は聞いたことがない。

「…………」

「なんで黙るんだ」

なぜか急に悲しそうな顔になる父。

「それは先代での話だろ。……父さんの代になって1000年間、魔界に攻められたことはない。だから正直心配なんだ」

「ふぅん…」

確かにリュカの生きた今までの400年間でそんなことはなかったし、魔界のことなんて、まったく気にせず、生きてきた。

「そこでだ」

「ん?」

「父さんは考えた」

さっきまでの悲しそうな表情とは一変、イキイキしてるような。

「リュカ、父さんの力がどれくらいか知ってるか?」

「…知らない」

「実を言うと父さんは……………すっっごく弱い!!」

「………………はい?」

言ってることと表情が合ってない。

「父さんはリュカよりも力が弱いんだ。…多分な」

リュカは唖然とした。

この天界の長…つまり現神様をやっている父が自分より弱いなんて。

「マジで?」

「マジでだ。…で、父さんはこう考えたんだ。魔界が攻めてきそうな今、父さんではだめかもしれない。だから、父さんより強いリュカにこの位を譲ろう」



そして、現在へ至る。

「僕に神様とか無理だろっ」

「頼む、リュカ」

「断る!!」

リュカは部屋を飛び出した。

後ろでガタンドタンッと父のこける音がした。

大変なことになった。

神様なんてやりたくないのに。

そりゃいつかはリュカの代がくるだろう。

でも今は嫌だ。

「僕はまだ400歳だぞ!!」

つかまったら、神様をやらされる。リュカはそれしか考えず、走った。

“魔王が人界へ逃げたらしい”

「そだ…!!」

「リュカ!!」

父の声がすぐ後ろで聞こえる。

「急げっ。…でろ、“天陣”!!」

5mほど前に光の環ができる。

リュカはその中へ駆け込んだ。

「リュカ…!!人界…あぶな…」

環が輝き、一瞬の後、リュカの姿は消えた。

最後にリュカは父が何か大切なこと言っていた気がしてならなかった。



次は秋雨さん!

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