表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公による主人公のための主人公  作者: *
少しずつ始まる物語
25/25

恋人は机

 たぶん彼女は君を縛り付けている鎖。

 歩くほどに締め付けられ、苦しむ。

 逃げられないし、解けない。

 君を縛り続ける鎖。

 流石のあたしにも壊せないや。



 ……やあ、僕だよ。

 ……テンションが低い?

 ……仕方ないなー……。




 やあ!!僕だよー?

 いやいやー、それにしてもねー。

 目の前に黒髪ストレートロングの綺麗な美少女さんが立っていらっしゃるのですよ。

 美少女より美人より?

 ま、どうでもいいや。

 

 名前は天草(あまくさ)霧野(きりの)ちゃん。

 確か……前の世界にいた気がするけどー。

 何でこんなところにいるんだろ? って前で疑問に思ってたけど面倒くさくて考えるの止めちまったぜ。


 で……僕に何の用かな? 霧野ちゃん。

「はじめまして……ではないわよね?」

 だって前の世界でお会いしましたからね?

「……ところで何で話さないのかしら?」

 なぜなら僕は女子と話すが苦手なのさ☆

「どうせ頭の中で『僕は女子と話すのが苦手なのさ☆』なんて思ってるんでしょうが……」

 おぉー君アレかい? 心を読める方か何かですか?

「貴方の考えることなんて大体理解できますよ。()()()()()()()だったらですけど」

 あっれー意味有り気な言い回しだねぇー……ゾクゾクしちまうぜ。

 前の性格かどうか僕には分からないけど、そんなに僕って分かりやすい奴なのかい……?

「喋らない理由分かってるつもりですけど……」

 ん? 1回区切ってどうしたんだい?

「……あまり思いつめないでくださいね」

 …………。

「失った時間は戻ってきませんし、失った人はもういません」

 …………。

「悪かったのは貴方ではないのですから、あまり思いつめないでください」

 ハァー……アレだよアレ。

 お前は僕のお母さんか! ってツッコミたくなる話し方だね。

 こういう話は聞き飽きた。

 だから紙に返答を書いて机と恋人になってくるよ。


「ふふっ『うっせー』ですか。変わってないくて何よりで」

 1人の少女は微笑みながらその席をあとにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ