むしろ僕は善人だよ
何だろう。
君の笑顔が昨日と違う。
そしてその笑顔を見るたびに苦しくなって……。
だから、そんな悲しい顔しないでよ!
はぁ~眠い眠い。
? あー僕だよ?
結局あの勝負は僕の勝ちー。
やったね!
ま、僕に勝負を挑んでくれたサービスとして傷とか治してあげたんだから。
僕はなーんにも悪くない。
むしろ善人だよ善人。
僕以上に優しい人間いないよ?
ま、嘘だけど。
だけどあまりにも可哀想だったからさ。
命だけは助けてあげたってわけさ。
慈悲の気持ちがあるんだよ、きっと。
だから慈悲深い僕は転校生の傷を治して、そこら辺に捨ててきた。
ま、誰か僕より優しい人が拾ってくれるでしょ。
よかったね転校生。
これに懲りて勝負なんて挑まないで欲しいけど。
主人公ってもんは面倒くさい生き物でね……。
大抵負けず嫌いなんだよ。
だからくだらない修行してくるんじゃない?
僕の前では無駄なんだけどね。
自己満足させてあげようじゃないか。
次挑んだ時は勝つことも負けることもなく。
死ぬことも許されない。
そんなトラウマを産み付けてやるよ。
小指一本で負ける転校生……。
周りの唖然としたアホ顔が浮かぶよ。
たのしみだなぁー。
どうでもいいけど。