14/25
奇跡と罪
ねえ、君は何を見てるの?
景色? 人? 物?
たぶん見えない何か。
いるはずのないあの子……。
なくなったはずの理由……。
君には見えているの?
やーやー僕だよ。
君らは“奇跡”ってものを信じるかい?
僕は信じるよ。
だって“奇跡”っていうのは“奇跡”があるから“奇跡”と呼ぶのだろう?
だったらあるはずだよ。
味わったこと無いけど。
主人公ってのは都合が良く奇跡が起こるよな。
面白いぐらいに。
僕にも奇跡起こらないかなー。
まあ、ないと思うけど。
だってこんな僕だもんねー。
当たり前だよ。
だからこの不幸体質ってのが罰なんだ。
奇跡なんて起こってくれないんだ。
それが僕への罪なんだ。
きっとこれからも……。