夜咄の茶事
掲載日:2026/10/21
茶の湯の世界では朝の食事をかねた茶会を「朝茶」と呼び、昼の茶会を「正午の茶事」夕食を振る舞う茶会を「夜咄の茶事」と呼ばれています。
肌寒さを感じる季節になるとお茶を嗜む方は親しい人たちと長い夜を語り合う「夜咄の茶事」に思いを寄せるそうです。
もてなす店主の心配りもこの茶事の魅力です。
夕暮れとき、足下を照らす路地安堵に導かれて庭を進むとロウソクの灯りを手に持った店主が優しく出迎えてくれます。
客と店主が無言で挨拶を交わしながらお互いの灯りを交換したことでいよいよお茶の席へ、
ほのかな灯りと照らしだされた茶室は千利休の侘び茶を放物とさせる幻想的な空間です。
千利休の時代にはほとんどが夜の茶会だったと伝えられているからです。
戦いに明け暮れた武士たちもこの日ばかりは全てを忘れて世話に華を咲かせたことでしょう。
私たちも忙しいときこそお酒ではなく夜のお茶で静かに語り合ってはいかがでしょうか。




