プロローグ:壊れゆく小さな世界
この世界で、言葉を一つに繋がれたら?
それが、もともと当たり前の世界があったら?
もしそれが、壊れたら?
走り出した大通りはまさに阿鼻叫喚で、僕とロムナははぐれないように必死に手をつないだ。
「HEEEEELP MEEEEEEE!!!!」
「Scheiße!」
誰もが武器を持ち、大通りから街の出口へ、殺し合いながら走る。
言っていることは分からない。侮辱なのか、殺意なのか、それとも命乞いなのか。
「どこかで路地裏に入るよ!大通りにいたら死んでしまう!!」
「ニャ!!」
僕たちは言葉を交わさずともその路地裏に転がり込んだ。
砂を払いながら立ち上がると、外套に血がついていることに気づく。
どこもケガをしていないようだから僕やロムナの血じゃない。
血なら何度も見てきたけど、これは流石に少し血の気が引いた。
「……弾が、もっと要るかもしれない」
「この道に一度弾を買った機械工房があったはずニャ。でも乗り物がないとこれ以上の弾を運ぶのには苦労するニャ」
「ひとまず、機械工房に行くか……」
機械工房は銃や弾薬、車両を扱う。
つまりは普通に考えれば真っ先に襲撃される場所だが、ほかにアテがあるわけでもない。
機械工房にたどり着くと、店の中から何やら声が聞こえた。
喧嘩をしているような声。これはまずいかもしれない。
僕はホルスターに手をかける。
ダン ズダンッ!!
ショットガンの重く響く2発の銃声とともに、店の窓ガラスが割れ、血を宙に飛ばしながら男が吹っ飛ばされてきた。




