始発駅
前回 第Ⅱ校舎への逃走中、上級生である鉄楓和疾遁と出会い委員長である圖々(ずず)に勝利する事が出来た第Ⅱ校舎へと来た花芯達であったが…
「さて…ここが第Ⅱ校舎なわけだが…」
鉄は落ち着いた様子で言った
「早く第4理科準備室に行くぞ」
楓和は焦らせるように言った
「この人達と居ると安心はするんだけど…少し不安もあるんだよなぁ…」
花芯は烈と一生にだけ聞こえる声で呟いた
「わかる、でも今は彼らに乗るしかない」
烈は先導する3人を睨みつけながらもそう呟いた
「着きました、ここが第4理科準備室 別名、始発駅です」
疾遁は本当の執事のような立ち振る舞いで花芯達に対応した
そこは、大きなモニターがあり、数多くの熟語の様なものがびっしり書かれており、そこから無数の線の様なものがその熟語に向かって伸び合っていた
「準備室ってよりかは管制室みたいだが… あそこ…俺の名前がある」
一生大きなモニターの中央に自分自身の名前が書かれており、驚きながら言った
「私の名前も…」
花芯と烈も自分自身の名前が書かれており驚いたような反応をした
「気づくことはないか?後輩達よ」
鉄は何か裏のある様な言い回しで花芯達に問いかけた
「うーん…ここに先輩方の名前…例えば鉄先輩の国縫がある事…とかですか?」
烈は唯一見つけた先輩の名前を言った
「よく見つけたね…俺の名前見つけたの君が初めてかも」
鉄は驚きながらも言った
「ゴホン…まぁいいや説明しようかな」
鉄は息を落ち着かせ説明を始めた
「ここに書かれているのは全て「駅名」であり「全校生徒の苗字」である」
「何故苗字が…?」
花芯は鉄の説明を聞いたが、少し理解する事ができなかった
「いい質問だ…」
『あ…あー聴こえるかな?不届きもの達』
その瞬間巨大なモニターに見知らぬ女性が映っていた
「誰だ…?お前は」
楓和はすぐに戦闘体制に入っていた、その手には何か刀の様な物が出現していた
『私は第Ⅱ校舎 風紀委員委員長『葉木 桜』です』
「風紀委員長…さん初めて会うかもしれない…」
花芯は少し怯えた様な声で呟いた
「私は戦う気はありませんよ、ただ警告をするだけです」
『言葉の定義遊び−これ以上は深掘りするな』
その瞬間、花芯達から、第四理科準備室に居た記憶が全て消え、第Ⅱ校舎に入った所まで時間が遡るような感覚に陥った
「なんだこの感覚…気持ち悪りぃ…」
一生は謎の空白の様な体の記憶のみが残っており、大きな違和感を感じていた
「後輩達…っていうかここにいる者全員目と耳を塞いでくれる?」
楓和は少しきつい言い回しであったがなにか企んでいる口調であった
「解りました、楓和の頼みでしたら…」
疾遁は落ち着いたように返答した
そして、その場にいる楓和以外全員は手で耳を隠し、目を閉じ視覚と聴覚を自主的に封じた
「ああ、やはりか…」
『██−████』
「能力は誰にも言う事はできない…って言うか言ったらいけない制約なんだけどさ…まぁ能力を使ってもここに移動できるのは僕だけ、つまりかなりピンチに陥る可能性もあるけど…それはまぁいい、ハイリスク・ハイリターンだ」
楓和は独り言を呟いた
「あれ?出来事は虚無にしたはずなのに良くここ来れましたね…不届きもの」
目の前には桜が居た
「僕の能力ではこう言う事は容易くてね」
楓和は自身ありげに桜に向かって言った
「誰ですか?委員長」
小柄であり丸眼鏡をかけた女性が桜に向かって問いた
「簡単に言えば、敵さ磯鶏副委員長」
「椿って呼んでくださいよ…!」
椿は桜が自分自身の事を苗字で読んだ事が少し気に食わなかった
桜はその時、椿から少し視線をずらした
「…正直僕も戦う気はないからいいんだけど…一つ訊いてもいいかな?」
楓和は目の前で行われた会話に少し理解できなかったが、冷静になり確認した
「あぁ…良いが…なんだ?」
桜は少し悔い気味ではあるが、了承した
「君たちは、実験体かい?」
「…いいえ?実験体じゃないですよ」
少し沈黙があったがキッパリと否定した
「…なるほど…実験体じゃなかったか…では何故、あちら側に付く?」
「昔色々あってね」
桜は楓和の問いに対してふんわりとした回答をした
「あ〜…委員長…私もう我慢の限界です…戦いましょ!」
椿からしたら我慢の限界であった『目の前に敵がいるのに戦わない』と言う事が1番の苦痛であった
「彼にはもう戦闘する意思が無い…ならば戦わなくていいんじゃない?それに今ここで戦っても合理的では無い」
桜は椿に優しく、そして戦況的に『戦わなくていい理由』を告げた
「でも一撃だけ念の為入れさせてください」
「解った、許可しよう」
『一心同体の合わせ鏡』
椿が能力を発動させた後、楓和と椿は目と目が合った
「私の能力は戦闘用ではありません、言わばサポート用・護衛用の類の能力です、詳細を言うと能力をぶつけた相手の行動を全て記録するだけの能力です」
椿は能力を詳細について淡々と話した
「なるほど…かなり厄介な能力だ…」
楓和は少し怯みながらも言った
「まぁいいや私は帰らせてもらうよ、聞きたいことは聞けたし、他の委員会にも訊き行くよ」
『██−████』
その瞬間、楓和は風紀委員の2人が居た部屋からは出た
「まぁあの2人と後輩達も連れてかな…少し後輩達からしたら危険な行動になってしまうけどあの子達なら大丈夫だろう」
楓和は不敵な笑みを浮かべながら独り言を言っていたが、謎の信頼感を持っていた
次回:各委員会の能力者達
風紀委員に強引に乗り込んだ楓和は他の委員の所にも向かうと決意する
そして、記録される楓和の行動…!




