残響と対象者
前回、破損していたSDカードを直しその中身を見てみるとそれは、私立夥多高等学校の重要機密情報であった
その情報を見ているのが、現生徒会長である『相生 圖々(あいおい ずず)』に見つかり生徒会長とバトルを行うことになってしまい…
「……駆除? 私たちはゴミじゃない、生徒だよ」
「黙れ、私に口答えする時点でお前はゴミ同然だ」
圖々はすごくキレているように、叫ぶようにそう花芯に向けて言った
「2人とも逃げるよ…!」
烈は冷静にそういい、花芯を抱っこするような姿勢でその場から逃げた
「私が、ドア側だよ逃げれるわけないでしょ?」
圖々はその対戦相手が逃走を選択したことに驚いたが、ドア側、つまり逃走経路方向に彼女はいる為逃げ道はほとんどなかった
「甘いな…」
烈は圖々を煽るようにそう告げた後能力を発動させた
『糖分を含んだ軌道』
彼女の口からでたガムは圖々の体を拘束するようにベッタリとくっついた
「…くそ守っても十数秒程度か…今のうちに逃げるよ!」
「戦闘の後には逃走〜?疲れるじゃん……」
花芯は愚痴るように言った
「私から簡単に逃げれると思わないしょ」
圖々が小さな声だがそれは殺意や戦闘心に燃え盛っていた
『並列する残響』
その彼女が能力を発動した時に言う宣言はとても大きかった
「私から逃げられても『残響』からは逃げられない」
その瞬間その場にあったのは『拘束されている圖々』ではなく『声の残響の具現化』であった
簡単に言えば、圖々の大量分身である
残響:音の発生源からの音が消えても、音が壁や床などに反射し音が聞こえ続ける現象の事
圖々の能力詳細:能力発動後(能力発動の宣言時も含む)に発した言葉の残響を具現化する能力
花芯や烈が廊下に出た瞬間そこには無数と言っていいほどの数の具現者がいた
「こいつら全員と戦うの?気が遠くなりそうなんだけど…」
花芯は無数の分身に圧巻された
「別に全員は戦わなくていいよ、戦うとして最大2人で大丈夫」
「おけ、わかった」
花芯は烈の指示を聞き言う通りにした
『1.5mmの黒鉛−0.5mmの白鉛』
「私が出せる唯一の派生技…使うか…」
0.5mmの白鉛とは1.5mmの黒鉛がランダムに痛みをばら撒く物だとすれば、0.5mmの白鉛は一点に痛みを与える物である、シャー芯を出す場所はを任意で出す事は可能だが、花芯を中心とした半径50cm以内でしか不可能である、さらにその派生技を発動した後に出せるシャー芯は1.5mmのシャー芯ではなく0.5mmのシャー芯である
「はぁ…まぁいいや少し痛いかもだけど許して」
その発した瞬間0.5mmのシャー芯は具現者の耳の真隣と喉に生成された
そのシャー芯は貫くように刺さっていたが、具現者は痛みを表さず襲ってきた
「しょうがない…少しずつでも攻撃を行なっていくぞ…!」
烈は叫ぶようにそう言った
具現者の攻撃を交わしながら烈達は、第Ⅱ校舎へと向かった
「ん?君たちどうしたんだ?」
逃げている最中誰かに声をかけられた
「ええ…色々とありまして」
烈は茶を濁すように返答した
「そうか…手伝えることがあれば俺達も手伝うよ」
逃げていることに夢中であった為気づかなかったが、そこには3名ほどの男性がいた
「逃げてるっぽいし、俺たちも走りながら自己紹介とかしちゃうか」
「OK」
その男子生徒3人はとても仲良く会話していた
「まぁ…俺から俺は3年10組9番『国縫 鉄』能力名は『連鎖する不幸』」
鉄は優しくそう言った
「次は僕か僕は3年10組4番『亀嵩 楓和』能力名は…秘密にしておこうかな」
楓和は自分の名前のみを告げ他の情報は隠した
「楓和が終わったので私ですか…私は3年10組15番『御坊 疾遁』能力名は『酒執事の悪巫山戯』」
「…なになに…?新手のナンパ…?」
花芯は少し戸惑いながらもそう言った
「ナンパじゃありませんよ、私達はあなた方を上級生として護りたいだけでございます」
疾遁は優しい口調で言った
「護りたいだけ?初対面の私たちを?怪しすぎて怖いんだけど…」
花芯は烈に抱っこされながら目を細め3人を睨みつけた
「君達には何か路線図を書き換えるような強力な力を感じるからね」
楓和は口調を丁寧にし優しく囁くように言った
「路線図…?貴方達は何を知って…?」
烈は魑魅魍魎しく思いながらも訊いた
「あー…それは追ってきてる彼女を倒してからの方がいいんじゃないかな?」
鉄は冷静に烈達に言った
「まぁいいや…俺たちはどうせ対象だ下級生の為にも戦うぞ」
鉄は楓和と疾遁に言った
「あぁ、了解!」
「畏まりました」
2人は戦闘心が沸いた
『連鎖する不幸』
「すべての行動は不幸へと繋がる、まずは第一波」
その瞬間一部だけワックスが効きすぎた床に具現者は転んだその転んだ勢いで壁にぶつかり、その振動の影響で額縁が落ちもう一つの具現者に落ちた
「え…?偶然としては出来すぎている…やはり不運を引き寄せる能力は強いな…」
圖々は驚きつつ、冷静にも対処法を考えていた
「次は私の番ですね」
『酒執事の悪巫山戯』
技を宣言した瞬間疾遁の手の上にシェイカーが現れた
「私の能力は派生技をつけずに宣言しないとランダムな攻撃になりますが…まぁいいでしょう…出来ました」
そう言った後シェイカーの中でできた飲み物を地面に撒き散らした
「おっと、『音を自分自身の方向に反射させるカクテル』でしたか…都合のいい」
疾遁は自分の運の良さに驚きながらもそう伝えた
「くそ…こちら側からしたら都合の悪い…」
自分自身が発した音の残響が自分自身に向かって襲うように向かってきたのである
「ぐわあああああああああああ」
圖々は叫び床に倒れ込んだ
「今のうちだ、とりあえず校舎Ⅱに向かうぞ」
鉄は大きな声でそう言った
「すご…寝てる間にも決着がついてる…」
「上級生ですから…!」
疾遁は自身ありげに言った
──────
「あ〜あ…負けちゃいましたか…校舎Ⅲ現生徒会長」
「見るな…校舎Ⅱ生徒会長…」
「私もいますよ?」
「…!校舎Ⅰ生徒会長…」
次回:始発駅
一時的だが、圖々(ずず)と決着がついた一行は校舎Ⅱへと向かい…




