ただ生み出すだけ
私には、ちょっとした能力を持っているそれは、右手をキツく握りしめると1.5mmのシャープペンシルの芯を生み出す事が出来る能力である
その芯は決して手の平の上で生成される訳ではない、生成位置はランダムである
それを私は『1.5mmの黒鉛』と読んでいる
失礼、自己紹介が遅れましたね、私の名前は小諸 花芯
そして、私同様能力を持っている友人がいる
彼女の名前は韮崎 烈、一見男の名前に見えるが女性の名前だ
彼女の能力は、ガムを自由に動かす事が出来る『糖分を含んだ軌道」である
私立夥多高等学校
ここには少し変わった能力を持つ生徒が集まっている
そして、私たちがこの学校の闇を解き明かす物語である
「ねむ…烈〜私が間違えて発生させちゃったシャー芯回収して〜」
花芯は眠そうにそう言った
「あのさぁ…私の糖分を含んだ軌道は落とし物拾いの能力じゃないんだよ…?」
烈は口の中に含んでいるガムを噛みながら言った
「いいじゃん〜便利な能力なんだからさ〜」
花芯はいつものように気怠い感じに言った
「便利って…私の能力発動するのに顎は疲れるし糖分は消費するしで割と疲れるんだよ…?」
烈は拒絶するような口調で言っていたが、口に含んでいるガムを膨らませシャー芯を探していた
「そう言っていつも探してくれる辺り優しいよね〜」
花芯は眠そうな声で烈を褒めるように言った
パチン
その瞬間、膨らませたガムが割れ学校の隅々まで蔓延るようにシャー芯を探した
「ん、あったよこの教室の教卓の裏にあった」
烈は何か電子端末を刺しているシャー芯を発見した
「えぇ〜なんか刺さってる…まさかそれ食べるの?」
「食べるわけないじゃん…!ってかこれSDカードじゃない?」
烈が発動した糖分を含んだ軌道によって運ばれてきたシャー芯は何かしら重要なデータを収録していそうなSDカードだった
「うわぁ…物理的に壊れてそう…」
「そりゃ、シャー芯がブッ刺さってるからねぇ…まぁ一生呼ぼうよ」
「あり、呼んじゃうか〜」
刈谷 一生
能力名:無音の再構成
能力詳細:息を止めている間のみ物を復元する事が可能
烈と花芯はほぼ同時に一生へLINNEでショートメッセージを送った
「っん送った」
花芯は眠たそうなのを我慢しながら言った
「あ〜私も送っちゃった」
烈は少し驚きながらも言った
その瞬間1人の男子生徒が勢い良くドアを開けた
「ハァ…ハァ…幼馴染2人に呼ばれて来たぜ」
その男子生徒は一生であった
「ちょっと急ぎでね…ほぼ同時に送ってしまった」
「ほんとだよ!一斉に来てびっくりした…で要件は?」
一生はふざけている時は大いにふざけているが、しっかりする時はしっかりするタイプの人であった
「ん…これ直して〜」
花芯は無惨にもシャー芯によって貫かれているSDカードを渡した
「あーまた1.5mmの黒鉛で貫いたの?」
一生は花芯の能力を重々理解しながらもそう言った
「うん…でも発生位置ランダムだから仕方ないじゃん!」
花芯は少し眠気が醒めたようにいつもより大きな声で言った
「わかった…わかった…声を張り上げなくても聞こえるよ」
「じゃあ、一生初めてくれる?」
「ん、解った」
一生は肺の空気を全て吐き出すように大きく吐き、その後すぐに新しい空気を肺いっぱいに吸い込んだ
能力発動─『無音の再構成』
以降「能力発動」の部分は省略
一生が能力を発動した瞬間
貫いていたシャー芯は花芯の手元に行き、貫かれた部分は修復していった
「ん、直ったぞ」
一生は落ち着きながら言った
「ありがと〜!流石〜学年一の肺活量お化け」
「褒めてるのか罵られてるのかわかんないのだが!?」
「褒めてるよ(笑)」
烈と一生は楽しく談笑した
「2人が話している間に中身見ちゃうか…私の専用iPad『 』を使ってね」
は花芯が自作したiPadである
瞬時に物事を解析する事が可能な高性能iPadである
読み込み中…読み込み中………読み込み完了
「流石、 !解析早い〜」
「ん?おぉもう解析初めてたのか」
一生は少し驚きながら言った
「…へぇ興味深い」
花芯はいつもの眠たい姿が嘘のように目が覚めており、深く集中していた
iPadに映し出された文字は
『私立夥多高等学校 第Ⅲ校舎 能力者一覧』
そこには、1年生〜3年生までの能力者が全て書かれていた
「ん?『現存』『対象』『処分』ってなんだ?」
「名簿…だけどやっぱりその〇〇リスト気になるよね…」
烈は少し怯えているような声で言った
[現存] 3年2組1番(現生徒会長)
相生 圖々
能力名:並列する残響
[現存] 3年13組19番
陶 満子
能力名:満たされる器
[対象] 3年1組3番
井荻 燕柱
能力名:垂直に落ちる視線
[対象] 3年2組22番
那珂湊 釵慧
能力名:静止する熱量
[処分] 3年6組8番
鶯巣 抱混
能力名:混ざり合う境界
[処分] 3年7組29番
鵜杉 卜占
能力名:死角からの宣告
「鵜杉先輩って家の事情で転校した先輩だよね…?」
「あぁ…そうだな…これは見てはいけない名簿かもな…もしそうなら早く閉じろ!生徒会が来るぞ」
「遅かったみたい…」
花芯は を見ながら冷や汗をかきながらいった
その直後鍵が締められているはずの扉の内側から爆破されたようになって扉が開いた
「こんにちは〜不法侵入者さん」
そこには黒髪長髪である現生徒会長「相生 圖々」がそこには居た
「生徒会長!鍵は掛けてあったはずだ…どうやって入ってきた!?」
一生は叫ぶようにそう言った
「鍵なんて…そんなの私の能力で破壊しましたよ?」
「あーあ…こりゃ眠れないかな…」
「こんな時に何言ってるの!?」
烈はこんな時に巫山戯たような事を言っている花芯につっこむように言った
「巫山戯てないよ私は私の時間を妨げられたくないだけ」
「…ん?花芯誰に言ってんだ」
「厭、なんでもない…幻聴かな…」
《かしん》は違和感を感じていたが、今はそれどころではない
「幻聴でもなんでもいい…君の遺言がそれになるだけだ」
圖々は格好付けるようにそう告げた
「はぁ…面倒くさい…烈・一生少し下がって」
「1.5mmのゴミで何ができる?」
「本当にゴミかは、自分の手で確かめな」
『1.5mmの黒鉛』
発生位置はランダム…発生した場所は…圖々の右肩の部分であった
「いった…!クソ野郎が…我が校の秩序を瓦解する者達よ…!これより今から『駆除いたします』」
「……駆除? 私たちはゴミじゃない、生徒だよ」
花芯は静かに、しかし冷徹に言い返した
次回:残響と対象者
VS圖々(ずず)!決着は……




