表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子に転生したので冤罪暴いて悪役令嬢は花嫁にします!  作者: 愛龍


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

エピローグ

夜明け前の静寂――


リュクレオンは胸の奥で、何かが崩れるような感覚に目を覚ました。


息ができないほどの、重たい痛み。

掌を見つめた瞬間、そこにあったのは剣ではなく──ハンドル。


銀の車体。夜の雨。

対向車のヘッドライトが視界を白く塗り潰す。

そして、あの音。


「……嘘だろ」


心臓が一度止まり、再び脈打つ。

視界の端に、誰かの悲鳴。

コートの女性が泣き叫んでいた。


製薬会社の同期──

恋愛ゲームを笑いながら押し付けてきた高宮真希たかみやまき


『ねぇ王子ルートってホント地獄なんだって!

 アンタがやって感想聞かせてよ!』


明るい笑顔。

無邪気な声。


ゲームオタク仲間。新作のゲームを買いにいくから車を出せと言われて………



ブレーキ音。

光。

衝突。


重たい金属の悲鳴と血の味。


リュクレオンは膝をついた。

冷たい石畳の上で、息が震える。


思い出してしまった。


自分は── 


一度、死んだのだ。


「……俺は、死んで……この世界に来たのか」


王子として生きる身体に、血の気が引く。

リュクレオンの記憶と前世の記憶が交わり一つの答えに結びつく。


『罪と月の王国』


セレニティ。

ユリア。

リュクレオン。


これは


ゲームの世界だ…………


笑えない。

笑えるわけがない。


「……俺は、彼女を断罪した」


心臓の奥が、ぞわりと凍りつく。


(俺は知っている……この世界の地獄を)


歪んだ運命。

理不尽な断罪。

救いのない結末。


もし、やり直せるのなら。


「──救う」


呟きは夜に溶けた。

痛みも後悔もまだ消えない。

けれど、確かに火は灯った。


遠くで鐘が鳴る。

静かに、しかし確実に。


――断罪の日まで、あと一年。


運命はまだ、彼を知らない。

王子リュクレオンが世界を壊すことを。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ