綺麗な夜空に
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おばさんと美沙が作った野菜カレーは凄く美味しかった。美沙が言うには、この野菜カレーは父親の好きだった食事だという事だった。「うん、美味しい。」「いっぱい食べてね。」おばさんがニコニコ笑いながら浩史に言った。おなかもいっぱいになり、2階で横になってるとドアの前から美沙の声がした。「私もう入ったから、神田君も入っちゃって」「うん」美沙のドアが閉まるのを聞いて部屋を出てお風呂に入っていた。湯船に浸かり、一気に疲れが出ていた。昨日からゆっくり出来てなかったが、今はかなり疲れが癒されていた。お風呂の中で甘い匂いがしていたが、疲れの方が強くお風呂に入ってる間、美沙の事はあまり考えてなかった。お風呂でウトウトしていると「ねえ。」と声がした。「ここに服置いとくから。」と美沙が言った。「ありがとう」「ねえ?」「ん?どうした?」「·····ありがとう·····」聞こえるかどうかの声だったが「うん」と浩史は言った。美沙は風呂場から戻り自分が使ってる部屋に戻っていた。風呂を上がり部屋に戻ったら、眠くなりすぐに寝てしまった。昨日からいろいろあったが、安堵感でいっぱいだった。「コンコン」ドアを叩く音がして、目を開けるとまたドアを叩く音がした。「ん?」「寝ちゃってた??」美沙の声が聞こえた。浩史はドアを開けると美沙が立っていた。「ごめん、起こしちゃって。」「いや、良いけど、どうした?」「ちょっとお話したくて。」美沙は浩史の部屋に入り、「ぶったりしてごめん。」と美沙は浩史に言った。「良いよ。俺も叩いたし。」「実は神田君がお寺にいてビックリして怒鳴っちゃったけど、本当は嬉しかったんだ。」美沙は髪を掻き分けながら「私ね、あんなに真っ直ぐに怒る人初めて見たの。神田君の言葉には嘘が無いって思った。私と真剣に向き合ってくれてると思えたの。そんな人初めてだったから。」「うん。」「言いたかったの。今日のうちに神田君に言いたくて来ちゃった。明日、帰ろう。」「うん。分かった。」「おやすみなさい」そう言って美沙は隣の部屋に入って行った。浩しは窓から東京の夜景を眺めていた。。東京なのに綺麗な夜空が広がっていた。、