東京でのもう一泊
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まさかまた、美沙と美沙のお父さんのお墓参りをする事になるとは思ってもいなかったが、嘘が現実になってるこの状態にこんな事も有るんだと不思議に思ってた。美沙はしばらく手を合わせていた。浩史も一緒に手を合わせていた。「行こ!」美沙は浩史にそう言って歩いていた。「さっき町田さんから電話があったわ、町田さんが神田君に相談したんだってね。」美沙はクルッと振り返り浩史に話していた。「相談しても普通東京まで来る??神田君の行動力は凄いわ。」「お互い様だろ?」「まぁね、私と神田君似てるかもね!」美沙は朝とは違い笑顔になっていた。母親との電話が上手く言ったのかな。「私クラスで浮いてるよね。あの修学旅行からみんなが避けてるのが分かってるの。町田さんはたまに話し掛けてくれるけど。」「うん、そうだな。」「それなのに神田君はいつの間にかみんなと普通にしてるし、置いてけぼりになっちゃった。」「なに言ってんだよ。」「神田君も私の事避けてたもんね。私の事考えてだろうし、なにも言えなかったけど。」「二学期から多賀谷が一歩前に出れば問題無いだろ。」「簡単に言うね、こう見えても不安も有るのよ。」「そしたら、俺は多賀谷に協力するよ。」2人は話しながら東京の下町の方を歩いていた。暑いのにお互いスッキリして歩いていた。
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「今日は安いホテルに泊まるから、また明日な」「ホテル取ってないでしょ、ちょっと待って」なにやら美沙は何処かに電話していた。話がついたのかこっちを見て笑顔で「おばさんが泊まってって、一緒に来て。」美沙は浩司の手を引っ張ってそう言った。「大丈夫なのか?カプセルホテルで良いぞ。」「良いの、行くのよ。」美沙に引っ張られてる浩史がいた。住宅街から少し離れた落ち着いた家の前まで来て来ていた。美沙がチャイムを鳴らすと中から白髪の恰幅の良いおばさんが出てきた。「中に入って」そう言われ、美沙の後ろを歩く感じで中に入った。「さっきお母さんに怒られちゃった。あの子も心配してたわよ。」「うん、分かってる。」「そう、なら良いけど」「おばさん、神田君のお部屋は何処?案内する。」「あなたの隣しか無いけど」「そう、案内するね。」美沙は2階に上がり一番奥の部屋の前まで来た「私、隣だから。そのお部屋でゆっくりして」美沙はそう言って隣の部屋に入っていった。部屋に入りすぐに出て下に降りて行った。「すいません、コンビニ近くに有ります?」「すぐそこ曲がったら有るよ。」「ありがとうございます。」「なに必要。」「着るものも無いし下着も無いし、急いで来たから持ってきて無いんで。」「着るのは家を出てる息子の有るけど下着は無いかな。」「買ってきます。」そう言って浩史は外に出て行った。「神田君どっか行ったの?」「急いで来たから、着るのも無いしって言ってたわよ。」「そっか」「良い子ね、あなたを追って来たんでしょ?なかなかそんな人いないわよ。」「私も行こうかな。」「ダメよあなたは夕食作るの手伝って。」おばさんの言葉に反論する事も出来ずに台所の方に向かっていた。「おばさん今日はなに?」「あなたのお父さんが好きだった野菜カレーよ。」美沙は笑顔で喜んでいた。