敵わないな
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自然の中にある大きなお寺に来ていた。美沙は手に花を持ち浩史は水を入れ持っていた。。真新しいお墓の前に美沙と浩史が立っていた。「半年前にお父さん亡くなっちゃったの。」「·····」あまりに予想してなかった展開で言葉も出なかった。「お父さんが亡くなっちゃったから、お母さんの家に居るんだ。」美沙は花を添えて、線香を焚いて水を掛けていた。「お父さんが大好きだったから、辛かったな。」「そっか、大変だったんだな。」「うん。大変だったけど、お母さんの方が大変だし私は私で頑張らないと。」美沙は浩史にそう言った。浩史も美沙のお父さんのお墓参りを終えて、「下にいるから、ゆっくり話してきなよ。」浩史は手を上げて美沙に背を向けて下の方に歩いて行った。「うん、ありがとう。」美沙は浩史の背中の方にそう呟いていた。
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休憩所に浩史はいた。お茶を自動販売機で買って、美沙を待っていた。スマホを見ると町田香澄から何通も電話やメールが来ていた。その中に「先生にも話しといたから、多賀谷さんよろしくね。」あちゃ〜このメールが着てから2時間が経っていた。大事になってなければ良いけど····そんな考えをしてから30分後、美沙は下に降りてきた。「終わったか?」「うん」「そっか、良かったな。」浩史は買ってあったオレンジジュースを美沙に渡した。美沙は何口か飲んで「神田君には迷惑かけちゃったね、ごめん。」美沙は頭を下げていた。「別に良いよ。多賀谷が来たかったんだろ?それで良いよ。」美沙は浩史の方を見ていた。「どうした?変な事言ったか?」「違う。どうして神田君にお願いしたのか今でも良く分かってないの。でも神田君にお願いして良かったって思ってる。」真っ直ぐな美沙の目にドギマギしていた。「帰るか?あまり遅くなるとうるさい事になりそうだし。」浩史がそう言うと美沙は立ち上がり、「神田君なにか買い物あったんでしょ?行こうよ。」美沙はそう浩史に言って立ち上がり「神田君にお願いして良かったよ。」という笑顔を見て多賀谷美沙には敵わないと思っていた。