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 レテはアーシャの質問に答えると宿の外に出ていく。人々が道を急ぎ足で歩いているのが二人の目に入る。アーシャは周囲を警戒する。

「今日は忙しそうね。昨日サボったツケが回ってきたのかな、騎士団はゴブちゃんがいないから安心、安心。これもネアスとガーおじのおかげなのね、今度オイシイお昼をごちそうしようかな」

 レテは道を歩き始める。

「どこに行くんですか、レテ様。王都には向かえませんし、ギンドラの街までのんびりとお散歩ですか?」

 アーシャが尋ねる。

「とりあえず広場で特製サンドを食べましょう。今日は暖かいし、ギンドラの街でやっかいごとに巻き込まれるのは確実かな。お昼は食べ逃すつもりはないけどゆっくりと味わいたいわ」

 レテは答える。

「朝はいくら食べても問題ありません。たくさん動いたらお腹はすぐに減ります。騎士には騎士団特製パンがあります。飢える事はありえません」

 アーシャは賛成する。

「ガーおじもいないし、静かな広場に戻っているかな。私たちは昨日もしっかりと任務をこなした勤勉で仕事熱心な騎士。文句を言うヤツはユルサナイ」

 レテは周囲の人々をニラミつける。道を歩いていた人々は駆け出していく。

「朝早くに開いている飲み屋もあるそうですが最初にそこに向かう人はいません。友達の話だとガマン出来ない人用だそうです」

 アーシャが答える。

「彼が一人でやりたい事、遊びは最低でも二人必要かな。アーシャ、私は彼の事を信じてもよいのかな、それとも疑って風の神殿の天辺に一日中貼り付けて街の人たちに見せてあげた方が良いかな。こうなるよってね」

 レテはアーシャに尋ねる。

「ネアスさんはレテさまにウソをつかないハズです。全部ガーおじさんが悪いんですよ、二人で話し合ったハズです。ネアスさんはガーおじさんをかばっているんです」

 アーシャは足を早める。

「だよね、ガが悪い。ガは貼付けにする。アーシャの反対は受け入れない。ネアスの言葉も届かない。ガは身の程を知るべき時が来たわ」

 レテは答える。

「キャビさんはどうするんですか?二人は一心同体ですが、責任はガーおじさんのみです。しかも、ガーおじさんを尊敬している人たちもいます」

 アーシャはレテを見る。

「ラトゥールの力を借りたいだけでしょ。災厄が来た時に自分だけは助かりたい、誰でもそう思うかな。ガはだましやすそうだからちょっとだけララリを上げて機嫌を取る。安いもんよ、ララリの使い方としては賢いかな」

 レテは広場を見つめる。鳥たちが羽ばたいている。

「ガーおじさんの事を詳しく知らない人はそう思うかもしれませんね。鳥さんに奪われないようにサクッと食べましょう」

 アーシャは広場の中を観察する。

「場所の選択を間違えたわね。朝は鳥さんたちの時間、朝食をもらえるって勘違いしそうね。他の場所にしましょう、採石場にでも行ってみましょう。石版の秘密が明かされるかもしれないわ」

 レテは笑みを浮かべる。

「少し遠いですけど朝の運動には最適ですね。副騎士団長はまだ起きていないのでゆっくりできますね。ゴブリンがいないので街道警備はなしです。訓練し放題です」

 アーシャは元気に答える。二人が広場を通り過ぎようとすると聞き慣れた声が耳に入る。彼女たちは耳を澄ます。

「そうじゃ、モテない絆は緩い。だからこそ暗闇に届いたのじゃ」

 ガーおじの声が話をしている。

「コワイです、レテ様。ガーおじさんはギンドラの街、そうでなくてもネアスさんと一緒にどこかにいるハズです」

 アーシャは怯えている。

「ガの話を聞いていた人かな。気味悪すぎ、放置推奨だけど後で報告されたら大変、大変。どうして変な人ばっかりなのかな」

 レテは周囲を見渡す。人々は急ぎ足で過ぎ去っていく。

「見られていますね、副騎士団長に私たち二人が無視したって報告されるとマズイです。でもコワイです。アヤシイだけの人です」

 アーシャが答える。

「ワシをバカにするモノもいたのじゃ。おじさんの涙はイミフメイ、触るな危険、不純な涙は呪いを引き起こす」

 ガーおじの声が話を続けている。

「あんな事言ったかな、眠かったからちゃんと覚えてないのよね。イライラしていたのは確かだけど、あそこを繰り返して暗記しようとしているって事はイヤなヤツ。超絶性格の悪いおじさん!」

 レテは声を荒げる。

「レテ様、落ち着いてください。関わったら不愉快な気分になるのは確実です。高級宿のオイシイパンが吹き飛んでしまいます。街の人にバレずにこの場を離れる手段を考えましょう。氷漬けはダメです」

 アーシャは周囲を警戒する。

「今日はダイジョブ、ダイジョブ。頭痛も収まったし、オイシイパンも食べた。天気も良いし、ゴブちゃんもいない。彼もいないのが気になるかな」

 レテは答える。

「ゴブリンは少しいると思います。騎士団でも約束の時間に遅れてしまう子はいつもいます。レテ様はきれいでやさしくてかわいいので気にしませんが副騎士団長はメモしています。新人騎士が十番目位に覚えるべき事です」

 アーシャはレテの手を取る。

「ガの仲間希望の人よ。そこまで怖がる事はないかな、ほんのちょっと注意したら大人しくお家に帰ってくれるわ。昨日みたいな男は滅多にいないかな、たくさんいたら王国のオワリ、オワリ」

 レテはアーシャの手を握る。

「魔王の魂さんは禁止です。コワイレテ様と変な男のコンビを二日連続で体験したくないです。今日はきれいでやさしくてかわいいレテ様をオススメします。明日はまた考えましょう、レテ様」

 アーシャはレテの手を握り返す。

「アーシャの方がコワかったかな、大臣に聞いてみるのも一つの手ね。ネアスの手紙を預かっている可能性は否定できないわ。魔王の魂さんは今日お休みだって、ゆっくりしてね」

 レテはおみやげの箱をアーシャに渡す。

「私が先に様子を見ます。いつもの通りの方が落ち着きます。最前線が私の居場所です」

 アーシャがレテに確認する。

「相手は大したことないわ。ガのニセモノ、ホンモノより強かったらおかしいかな。もっと弱くなってからマネしなさいって教えてあげないとね。たまには私の援護をするのも良いかな、ケガさせちゃダメよ」

 レテは声のする方角に向かう。

「私はおみやげの安全を最優先します。変な男ですから怒らず、怒鳴らず、蹴っ飛ばさないでください」

 アーシャは二個の箱を抱え、付いていく。

「努力はするわ。期待はしないでね」

 レテはわざと地面に落ちている木を踏みつけながら男に近づいていく。

「ワシは記憶を失っているのじゃ。みなさんは疑問を抱いているハズじゃ、ウソをついていないか、だまそうとしていないか。ワシは事実を伝えるだけじゃ、涙は奇跡を起こすのじゃ。モテない絆はあるのじゃ」

 変な男が話を続けている。近くには誰もいない。

「話を聞かせてくれるかな、涙の奇跡のお話。昨日は聞きそびれたから今日は早起きして遊びに来て正解だったかな。名前は何だっけ、ガガブタさん?」

 レテは変な男に話しかける。男の顔が引きつる。

「レテ殿、どうしたんじゃ。ネアス殿を追いかけるのじゃ、ここにいてはイケナイのじゃ。ネアス殿はレテ殿を待っているのじゃ」

 ガーおじは答える。

「良く調べたわね、ガガブタさん。でも、ガはネアスのそばを離れる事はないわ。私がいない時に彼を一人にする人じゃないわ。噂を集める事はできても、その人の本性までは知ることは出来ない。ニセモノの限界ね」

 レテは静かに答える。

「そうです、ガガブタさん。ガーおじさんの良い所はそこだけです。それがなくなったら何も残りません。調子に乗っているナンパ好きのおじさんです。石職人にボコボコにされても助けません。つまり、あなたも助けたくないです」

 アーシャはキッパリと告げる。

「ワシはレテ殿とネアス殿を裏切る。それは知っているハズじゃ、これはレテ殿、ネアス殿、ワシしか知り得ない事じゃ。ワシはホンモノのガーおじじゃ。ガーラント・ヴィルへルム……」

 ガーおじが続けようとするとレテが遮る。

「ウルサイ!ガのニセモノのクセに生意気!」

 レテは声を荒げる。

「レテ様、約束です」

 アーシャがささやくとレテは深呼吸する。

「レテ殿、ネアス殿を追いかけるのじゃ。ワシは長い旅になりそうなので途中でウソをついて戻ってきたのじゃ。ネアス殿は真剣な顔をしていて、ワシに目的地を教えてくれなかったのじゃ。何度もギンドラの街はどうかと聞いたのに答えてくれなかったのじゃ」

 ガーおじは答える。

「ガはモテないから、それでも希望を持ってネアスに付いていくハズ。一人でギンドラの街に行ったらだまされるだけ、仲間は大事。裏切りはユルサレナイ」

 レテはガーおじに告げる。

「少しだけコワイです。裏切っても吹き飛ばせばダイジョブです」

 アーシャはささやく。

「ワシはどうすれば良かったのじゃ、レテ殿。ワシはレテ殿を置いて旅に出る事に反対したのじゃ。ヒドイ目に合うのはワシじゃ、レテ殿はネアス殿にあまいのじゃ。どうしてネアス殿は分かってくれないのじゃ。謝れば問題ない、早く出発すると急かされたのじゃ」

 ガーおじはレテに伝える。

「あなたはガガブタ、どこで話を聞いたか教えてもらうわ。盗み聞きの天才さん?ガガブタ!」

 レテはガガブタをじっくりと観察する。彼はガーおじと同じ服を着ており、背中にはストーンシールドを背負っている。アーシャはレテの背後でおみやげを守っている。

「ガガブタさん、あなたは致命的なミスを犯しているわ。ホンモノはストーンシールドが重すぎて持ち運びできない。さらに彼はストーンシールドを失っているのよ、あなたはニセモノ、ガガブタさん!」

 レテは最終通告をする。

「何じゃ、レテ殿の勘違いじゃ。ストーンシールドはプレゼントしてもらったのじゃ、もっと活躍して石の盾の伝説を作って欲しいそうじゃ、タダじゃ」

 ガガブタは答える。

「レテ様、人が集まってきています。ここで話を続けるのはマズイです。三人は一緒の一人に数えられたくありません。おみやげも見つかったら大変です」

 アーシャがソワソワする。

「ガはギンドラの街に向かったハズ。ガガブタはニセモノ、ホンモノはいない。ガガブタさん、ありがと。悪い事はしちゃダメよ、少しだけララリを稼ぐ位なら見逃してあげるわ。せっかくガのマネをしたのに何も出来ないんじゃかわいそうかな」

 レテはアーシャを見る。

「レテ様の判断に従います。ガーおじさんはギンドラの街にいるので鉢合わせになる事もありません。言い逃れは出来ます。あんまり派手に話をするとバレるので注意してください。無理は禁物です」

 アーシャがガガブタにアドバイスする。

「気に入らないのじゃ、勘違いしているのはそっちじゃ。ワシはガーおじじゃ、キャビ殿がストーンシールドを支えているのじゃ。お二人の負けじゃ」

 ガガブタが反撃する。

「はい、はい。あなたはガの事を良く調べたわ。ほら、お客さんが集まってきたわ。何のためにこの場所に来たの?私たちに勝つため、違うでしょ!」

 レテは立ち去ろうとする。

「ララリは大事です。いくらあっても困りませんよ、次に活躍するのは誰でしょうね。ガーおじさんじゃなかったら稼げなくなります。あなたの容姿ではネアスさんのマネは難しいと思います。理解できますよね、話はオシマイです」

 アーシャはレテの後に続く。広場には人が集まり出し、レテたちは駆け足で道に戻っていく。彼女たちが背後を振り向くとガガブタが追いかけてくる姿が目に入る。

「やさしく注意すれば良かったのかな、変な男の相手は難しいわ。目的はララリじゃないみたいね。わざわざガのマネをして何をしたいのかな」

 レテはアーシャに尋ねる。

「キビシク注意してもらうのが好きなおじさんもいます。レテ様の判断は間違っていたかもしれません。やさしくすると付きまとわれるかもしれないので、一概に判断ミスとも言えませんが難しい所です」

 アーシャが答える。

「レテ殿、待つのじゃ」

 ガガブタが二人に声をかける。

「待っていてあげているでしょ、早く来なさい。今から宿に向かうわ、騎士団御用達のステキな所。あなたも気に入るかな」

 レテは答える。

「今日も朝からやっかいな人に絡まれましたね。昨日よりはマシですけど先が思いやられます。現実に帰るんですね」

 アーシャがため息をつく。

「高級宿は貴族と商人のモノ。私たちには安宿がお似合いかな、ラトゥールの末裔なんて言われてもララリをくれたのはカンランだけ、ガみたいな事はしたくないかな」

 レテはガガブタを見る。ストーンシールドは重いようだ。

「思いっきりレテ様を狙っている商人さんです。深い付き合いは無理です。ララリは大事ですが恋の方がステキで良い事です」

 アーシャが答える。

「一人だとララリを奪われるのじゃ、またクロウ殿にお願いするのじゃ。旅人の翼を持つ冒険者は頼りになるのじゃ」

 ガガブタは二人に伝える。

「おはよう、キャビ」

 レテは挨拶する。反応がない。彼女はアーシャからおみやげの箱を受け取る。

「任せてください、レテ様」

 アーシャはガガブタの背後に回り込み、ストーンシールドと背中の隙間を見る。腕と足はない。アーシャは大きく首を横に振る。

「違うのじゃ、キャビ殿は休憩中なのじゃ。大事な時しか姿を現せないと夢の中で言われたのじゃ。疲れるそうじゃ、手助けは必要な時だけだそうじゃ」

 ガガブタは言い訳をする。

「もう無理でしょ、ガガブタさん。宿はアッチ、ちょっとだけなら歩きながら話を聞いてあげるわ。私はきれいでやさしくてかわいい、さらに今日は機嫌も良いわ」

 レテは道を歩き始める。

「ガガブタさんはガーおじさんよりも力持ちですね。重いストーンシールドを背負っても息切れしていません。ホンモノより優れたニセモノはキラワれます」

 アーシャはガガブタから離れる。

「違うのじゃ、キャビ殿が手伝ってくれているのじゃ。魔術じゃ、ワシには分かるのじゃ。ストーンシールドは必要なのじゃ、キャビ殿も知っているのじゃ」

 ガガブタはレテの後に続く。

「ステキな魔術ね、ガガブタさん。モノを軽くする魔術、それとも風が盾を支えているのかな。でも、それはガガブタさんの力よ。優秀な人なのにガのマネをするのが謎かな」

 レテは前方に見慣れた人物を見つける。

「おはよ、ルキン!」

 レテは笑みを浮かべる。

「おはようございます、レテ様。魔王の事はご存知ですよね」

 ルキンはレテに問いかける。彼女はうなずく。

「レテ殿はどうして機嫌が良いのじゃ、アーシャ殿」

 ガガブタは不審に思い、アーシャに尋ねる。

「私はガーおじさんとも仲良くないので、ガガブタさんとも疎遠で問題ありません。それとも仲が良さそうに見えましたか?」

 アーシャはガガブタに問いかける。

「アーシャ、ガガブタさんにイジワルしちゃダメ。今はガのマネをしているけどホントは紳士的なおじさんかも、気安く声をかけてくる辺りがスゴく似ているかな」

 レテは微笑む。

「ガーおじさんのニセモノですか。俺もレテ様に出会っていなかったらマネをしていたと思います。ホントに良く似ています。楽にララリは稼げませんね」

 ルキンはジロジロとガガブタを見つめる。

「ワシはガーおじじゃ、ルキン殿。お二人にだまされてはイケナイのじゃ。自分の目を信じるのじゃ。レテ殿も時には間違うのじゃ」

 ガガブタはルキンに教える。

「私には区別が付きませんね。街の人たちも同じでしょう、ララリが稼ぎ放題です。羨ましい限りです」

 ルキンはレテの後に続く。

「違うじゃ、ホンモノのガーおじなのじゃ。ニセモノである理由が見当たらないハズじゃ。そうじゃろう、ルキン殿?」

 ガガブタはルキンに問いかける。

「ガーおじさんだったら困る事はあるんでしょうか、レテ様」

 アーシャはレテに尋ねる。

「なにもないかな、私のガーおじに対する信頼度が下がるだけよ。元々マイナスだからダイジョブ、ダイジョブ。ルキン、街の人たちは魔王の事をどう思っているか分かる?」

 レテはルキンに問いかける。

「俺は石職人ギルドがなくなったと聞いて夜の間に確認に行きました。噂ではマオウと書かれていたそうですが暗くて分かりませんでした。三岩人はソラトブイワの残骸に夢中になっていて役に立ちません」

 ルキンが不満を口に出す。

「お家がなくなったのに余裕ですね。ララリをたくさん蓄えているんでしょうか。ホントにうらやましいです。私もがんばったのに不公平です」

 アーシャはガガブタを見る。

「ララリは全部ネアス殿に渡したのじゃ、旅の手伝いを出来ない代わりじゃ。ワシはほんわかゆるふわおじじゃ。ララリにこだわりはないのじゃ」

 ガガブタは答える。

「ネアスさんは一人で旅に出たのですか。心配でしょう、レテ様」

 ルキンは小声になる。

「ルキンも知らないのね。ガガブタは風の神殿に張り付いていたのね、ヒマがララリを生み出す。騎士は忙しいから大変、大変」

 レテはガガブタを見つめる。

「ララリは大事、大事。すぐにララリを稼げる人は太っ腹ですね、昔話をすれば、簡単にララリが舞い込みます。ガガブタさんはガーおじさんに似ているだけなのに、ホントに世界は狂っています」

 アーシャはガガブタをニラミつける。彼は下を向く。

「ダメ、アーシャ。ガガブタさんのせいじゃないわ、ガが悪いのよ。ララリは人の心を惑わす。失くしたララリを探してくれるゴブちゃんもいない、世界は変わったけど騎士はララリに縁がない。でも、ガガブタさんは悪くないわ」

 レテがアーシャをなだめる。

「済まないのじゃ、アーシャ殿。うまい具合にララリを稼げたので調子に乗っていたのじゃ。レテ殿は幸運の女神様じゃ、アーシャ殿にも良い事が起きるじゃろう」

 ガガブタは空を見上げる。

「詳しいですね、ガガブタさん。俺も修行しないと噂好きのルキンの名を奪われそうです。噂好きで変装の達人のガガブブさん」

 ルキンはガガブブを尊敬しだした。

「どこで話を聞いてくるんですかね、昨日は飲み屋が閉まっていました。噂は飲み屋で広がり、誇張されて本人に戻ってきます。風の必然です」

 アーシャも疑問を持つ。

「酒好きが飲まないわけないかな。きっと副騎士団長が詳しく知っているかな、ルキンも付いてくる?オモシロイ話かどうかは保証できないかな」

 レテはルキンに尋ねる。彼はうなずく。

「ワシはララリを稼ぐのじゃ、残された時間は少ないのじゃ。クロウ殿はどこなのじゃ、レテ殿。ララリは大事なのじゃ」

 ガガブタは意を決してレテに尋ねる。彼女は立ち止まる。

「ここがストーンマキガンでの騎士の滞在場所。ガガブタさん、いらっしゃいませ!」


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