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love...

作者: 梅林 愛

あなたは今、恋をしていますか?


しているのなら

その人がいなくなることを

想像してください


そして手遅れにならない内に

その人へ今すぐ伝えて下さい


love...


愛している、と

私がもしも、

こんな質問をされたら…



「あなたが生涯いちばん愛した人は?」


迷わず答えれます。



「純です」



と。




あなたは恋をしていますか?


「恋は下に心があるから下なんだって」


私が純にもらった言葉です。


「じゃあ、愛は?」


「真ん中に心があるから真心だよ」


「純の恋愛はどっち~?」


「いつもは恋かな?笑

 でも亜美との恋愛は

 愛だよ」



純。

今あなたはどうしていますか?






    _出会い_




私達がであったのは

ごく普通の出会い

高校の入学式であなたを見たとき、

胸がどきっとしたのが分かった


ああ、これが私の運命になればな

って思ってたんだ


でも純は格好いいで

女の子達が騒いでた


競争率激しい男の子は

かまわぬが仏。と

ママにいつもいいきかされていた


ママは競争率の中勝ち抜いて、

パパとの結婚のとき

嫌がらせがあってひどい目にあったんだって


私は今までそれに

したがってきた

でもね、ママ

純に会って気づいたんだ


私はいやがらせの中

生まれてきた娘だけれど、

今幸せだから

生まれてきてよかったと思っている

だから、競争率なんて関係ないんだって事



それから、

私の高校生活は純一色となっていったんだ



クラスが張り出されて、

私は神様にお願いしてた


―あの人と同じクラスになれますように!


どきどきどき…

南 亜美

私の名前あった!!

あの人は…

って名前も知らないや!



って感じで教室で確認してみようと

教室へ向かった


でも教室の知らない顔ぶれの中に

あの人の姿はなかった



でも唯一の救いは、

中学の時からずっと一緒の親友、

佳織と同じクラスだった事


「佳織~ダメだった!

 いない!」


「あ~らら

 まあしょうがないじゃん?

 昼休みつきあったげるから

 探し行こう!」


「ん~

 いいや!

 運命の人だったら引き寄せられるから~♪笑

 ありがとね!」


って普通に意識なく

言ったんだ

そしたら…


「ちょっと~

 あの人じゃないの?」


って廊下を

歩いている

君の姿が目いはいった


「うんそうだよ…

 あの人!!!」


あたしはもう舞い上がって

訳も分からず教室を

飛び出した


実をいうとね、

自分でもこのとき

なんでああしたか覚えてないの。

そんくらい舞い上がっていたんだ


そして駆け寄っていつのまにか

腕の服の端をつかんでいた


そして純は驚いた顔を

してこちらを振り向いた


「なに?いきなり」


私ははっと我に返って

自分の今したことに気づき、

顔があつくなるのが分かった


「え~っと…

 いきなりごめんなさい!

 私3組の亜美っていうんですけど…

 何組ですか?」


おいおいおい

何ペラペラ自己紹介しちゃってんのあたし!

でなに逆ナンみたいな

事いっちゃってんの!


とか心の中爆発しちゃってた


「はははご丁寧にどうも。

 俺、久森 純。

 4組なんだけどお隣じゃん

 メアド交換しとく?」


 「え…

  はっはい!」


こうしてあたし達は

少しづつ距離を縮めていったんだ


毎日夜どちらかが寝るまで

メールをして、

昼休みには2人でお昼を食べることもあった


2人のクラスでは、

2人は付き合っているという

噂まで流れ始めた


純に迷惑かな…

と私は決心をしてあるメールをしてみたんだ


送信:純『純~なんかそうとう噂されてるけど

     純に迷惑だよね

     だからちょっと距離おいとこうか』


距離なんておきたくない…

だいたい付き合ってもないのに

こんなメール逆に迷惑かな?

と思って純からの返信がこないうちに

もう一通送った。


送信:純『続けてごめんね

     付き合ってもないのに

     変なメールしてごめんね

     だけど純にだけは迷惑かけたくないから』


どっちのメールも

人生でこんなに悩んだことはないくらい

悩んで打ったメールだった


純にだけは迷惑かけたくない…

これだけは伝えたかった


~♪~♪~


メールを受信しました


携帯の画面に映る

受信ボックスを開けるのさえ怖かった


受信:純『亜美はそれでいいの?

     俺は嫌。

     距離なんかおかないから

     

     だいたい迷惑なわけねぇじゃん』


迷惑じゃないの?

一緒にいていいの?


送信:純『私は嫌だよ

     迷惑じゃないの?』


受信:純『うん。当たり前。

     そろそろかな…

     

     亜美。明日話がある』


これって…

普通の女子なら

告白されるメールの内容だと

思うようなメール


私もそう理解していいのかな?


でももしちがかったら

嫌だし期待半分で…


そんな妄想しながら

幸せな気分で携帯を閉じた。




     _傷_

  

次の日の朝。

あれから佳織に電話して

メールの事を話した

佳織は「やったじゃん」

っていってた

それから眠れなくて

朝起きれず遅刻をしての登校だった



やっぱ告白だってとっていいのかな?


そう思うと

顔の筋肉がほころんでいって

ニヤニヤしてしまう


「おはよ」


気づくと私は

下駄箱で何人もの女の子に

囲まれていた


この人達…

純の事が好きな女の子達だ…


私の第六感が危険だと察知して、

走りだそうと思った

そして1人の女の子にタックルをかまし

すばやく走り出した


走っていても

遅刻しているわけだから

生徒は誰もいなくて

階段の所で1人に追いつかれてしまい

そのまま取り押さえられた


「はぁはぁ…よくもやってくれたわね!

 純にちょっと優しくされてるからって

 調子にのるんじゃないわよ!

 ちょっと顔かしなさいよ」


そのまま亜美は屋上へと

女達6人につれていかれた



~純~


あれ?

いつも「純」ってうるさい女共が

6人ともそろっていない…


みんなでサボリか

馬鹿なやつら~


あ~今日ついに亜美に言う日じゃん

も~どきどきしてるし

まぢでちゃんと言えるかな?

でもちゃんと好きって気持ち伝えてやりたい

亜美はなんて返事するんだろ?

もし嫌って感じだったら俺立ち直れね~

あ~も~


「…純……純!!」


はっ

トオル…

こいつ俺の一番のダチで

いっつもうるせーの


「なんだよ?」


「お前の取り巻きみんないねぇぞ

 どうしたんだ?」


「しらねーよ

 みんなしてサボリじゃねーの?」


「ちげぇよ

 あいつら朝きてたの見たもん」


「……まじ?

 …もしかして」


ガタン!


あいつら…


「おい純!どこいくんだよ」


「ちょっとな

 先生にうまいこといっといて」


間に合えば…

くそっ


純は教室を飛び出して走っていった



~亜美~


屋上…

あ~あまるでドラマの世界

ここでボコられて

純になきついてってね

それで純にもう別れようっていうの

でも残念

私と純は付き合ってないから

だいたい簡単にあんた達みたいなのに

ボコられてたまるかっての~


どきどきはしていた

これから何が始まるんだろうって


でも負けたくなかった

暴力なんかで

純の事を縛ろうとするやつらが許せなかった


「さ~て

 亜~美ちゃんっ

 遊びましょ♪」


1人の女が冷ややかな目で

ささやかに笑いながら言った


その顔はあまりに冷酷で

背筋がぞっとするのを覚えた


「私あんた達に何かした?

 不満があるなら言って」


「あははっ

 今更遅いって~

 私達の純と仲良くしたのが

 気にくわないの

 ただそれだけ♪」


「馬鹿じゃないの?

 純はあんた達のものなんかじゃない」


「うぜぇんだよ

 調子のりやがって」


ぷちん

私の中の何かが切れた


「ふざけんなよ

 純を縛ろうとして

 私に当たってんじゃねーよ

 自分の実力で好きな人は好きにさせなよ

 あんた達みたいなの見てると

 虫ずが走る」


さすがにこう言っちゃー

相手も黙っていない


6人が一斉にかかてきた

喧嘩なんかしたことがないけど

こいつらにだけは

負けられないそう思った


でもやはり心と体は

違うもので

あっという間に

私は地にへばりつかされて

殴るわ蹴られるわ

好き放題されていた


痛い…痛い…痛い…

なんであたしがこんな目に

会うの…

純…純…


ばーん


女達が一斉にとまった

私はそっと顔をあげてみた

勢いよくあけられたドア

そこには息をきらして汗まみれの純がいた



「お前ら何やってんだよ」


いつもの笑顔の純はいなかった


それはまるで狂犬のように

血走った目をしている

純がいた


「純…」


「亜美ごめんな

 こいつらちょっと許せねぇ

 おい、こい」


そして純は女達を屋上の給水タンクの上につれていった


「ごめんなさい…ごめんなさい…」


女達は口々に謝っていた

私は純がこれから何をしようと

しているのか全然わからなかった

でも純はどうやら

女達を柵の外にやっているようだった


まさか突き落とすつもりじゃ…


「純!

 もういいから

 分かってくれたなら

 もういいから

 だから怖いことしないで!」


「…亜美はああやっていってるけど

 俺はおまえら突き落とすつもり

 どうする?」


「ご…ごめんなさいぃぃ

 もうしませんんん…」


女達は泣き出してその場にへたりこんだ


純は給水タンクから降りてきて

私にそっと耳打ちした


「ごめんな…俺のせいで…」


そしてあたしをぎゅっと

力強く抱きしめた


「好きだ…」


純の口から甘い声で

漏れた言葉…


ツー

私の目から涙がこぼれた


怖かったのもある

でも何よりこの純の言葉が嬉しかった


「あたしも…」


私達はそのまま

学校をぬけだした



    _初めて_


今は純のチャリの上…

純は学校を出てから

一言も喋ることなく

私をのっけて走っている


「純…?

 どこいくの?」


「俺んち」


それだけの会話だった


そして大きなアパートについた

ここが純のアパートだそうだ

純は高校に入る時、

親元を離れて一人暮らしをしていると

前聞いたことがあった


「入れ」


部屋に入れられて

純はそれまで黙っていた口を開いた



「…ごめん

 もっと俺が早く気づいていたら…」


そういって純は私の今さっきつけられた傷を

そっとなでた


「ううん…

 気づいてくれただけでも

 すごいもん…

 ありがとね

 すっごいかっこよかった」


そういって優しく純に笑いかけた


「ばーか」


「んっ…」


優しい優しいキスを

純はしてくれた


まるで時が止まったようだった


「風呂はいれ

 で今日は俺んち泊まれ

 その傷で家には帰りたくねぇだろ?」


「え…

 うん…そうしてくれると

 助かる」


家にはお泊まりだなんて言えない

佳織んち泊まるっていっておこう


「じゃあ風呂はいって

 体キレイにしてこい

 泥だらけだからな」


「は~い」


純のにおいのする部屋…

純の髪のにおいのシャンプー

大好きな大好きなにおい


そんな余韻にひたっていると

純がひょっこり顔をだした


「遅いから

 俺も入っていい?」


「馬鹿じゃないの!

 ダメにきまってるじゃん

 恥ずかしい!」


「だーいじょうぶだって

 ブラインド閉めて」


「え…こう?」


「そう…で電気を…」


純が電気を消した

昼間なのに真っ暗で

何も見えなくなった


「うわ~真っ暗…

 って怖い怖い!!

 電気つけて~~」


「ばーかそしたら

 俺が入れないだろ」


そういって純が服を脱ぐ音だけが聞こえてきた

もちろん純の姿は見えない


「純~わかったから

 はやく来て!

 こわい!」


ぽちゃ…


お風呂につかる音がきこえた

そして肌があたっている


「亜~美」


「純~やっときた~」


「ははっ

 恐がり~」


「うるさ~い」


「これなーんだ」


「ひゃっ」


純が私の胸をさわった


「もうやめてよ!」


「へへっ感じてや~んの」


「か…感じるわけないでしょ」


「ぶはっきょどりすぎ」


「んも~」


「お前多分今顔真っ赤だろ?」


「そ…そんなわけないじゃんっ」


「ほら、こんなに熱い」


純はそういってあたしのほっぺを触った


「湯気であついの~」


純の一言、

一つの行動、

全部にどきどきしてしまう


「もう黙れ…

 ベットいくぞ」


「え…きゃあっ」


純は私をお姫様だっこして

暗闇のなか歩いていった


「よいしょ」


純が私をおろした場所は

ふかふかでベッドだとすぐわかった


「ちょっ…なに?」


「うるさい

 お前のせいだから

 もう理性の限界なの」


そういって純は私を押し倒して

優しいキスをした


「んっ…」


「ほ~らその声

 それで我慢しろってほうが無理だから」


そして純は優しく愛撫した


「あっ…」


「キスしただけで

 濡れちゃった?」


「やっ…ちがっ…はぁんっ…」


純の指先は優しくてエロくて


「んっ…あん…っふぅん…」


「もういいな」


「やっ…私初めて…」


「すぐ気持ちよくしてやる」


純がはいってきたのが分かる


「あっ…んっ…んんっ」


気持ちよすぎて変で…

私達はすぐ尽きた


そしてその日は純へゴハンを作り

幸せな時間をすごした

純は少し失敗した料理も

「おいしい」

っていって食べてくれた

そして私の忘れることのできない言葉を

夜寝る前に話してくれた


それは電気をけして

一つのベッドで向き合って寝ていた


「なぁ~亜美」


「なーに?」


「恋は下に心があるから下なんだって」


「なにいきなり~

 ふーん格言だねぇ

 じゃあ、愛は?」


「真ん中に心があるから真心だよ」


「純の恋愛はどっち~?」


「いつもは恋かな?笑

 でも亜美との恋愛は

 愛だよ」


「ははっ

 照れくさい~

 ありがとう、純

 じゃあおやすみ」


私は幸せな気分で眠りについた


   _伝えたい_


次の朝、

おきると横に純の寝顔はなかった


リビングへいくと、

テーブルの上に置き手紙があった


【亜美へ

 コーンフレークの牛乳ないから

 ちょっとコンビニいってくる】


わざわざ買いにいったんだ

そういえば

昨日の事夢じゃないんだ


うれしさで

胸がいっぱいだった


昨日純は私に「愛」してるって

いってくれたのに

私照れちゃって返事してないや

帰ってきたら

「私も愛してる」って

いいたいな

早く純帰ってこないかな~


わくわくしながら

待っていた


でも…純は帰ってこなかった


きっとすっぽかされたんだ

そう思ってアパートをでた瞬間、

ただごとじゃないと分かったんだ


近くのコンビニを挟む道路で

救急車がきて

煙があがってる

「車と人の衝突事故だって」

周りの人の声が聞こえた


え…純は?純は?


まさか純じゃないよね?


神様…神様―――



_love..._



嫌な予感というものは

的中するもの…

誰かがそういってた


そして的中してしまったんだ


純は15歳の若さで、

死んだ


たった1日の彼氏でした


でもきっときっと

一緒忘れる事はできません


私はこの人以上誰かを愛する人は

できません


ねぇ、純


私ね決めてたんだよ

純が帰ってきたら

「愛してる」っていうんだって…

「私もだよ」っていうんだって…

なのになんで帰ってこなかったの?


嫌だよ


私が恐がりだってしってるでしょ?


1人じゃ怖いよ生きていけない


だから純戻って来て…


私は純のお葬式で

この言葉をうわごとの様に繰り返した


でも今、純が去っていってから

3年の月日がたった


私は1年間

食欲のなさで入院して

治療をうけた

鬱だって診断された


2年目は

何をする気にもなれなくて

家にひきこもっていた


そして、3年目の今

やっとこうして純のお墓の前にたっている


ねぇ、純

私はもう泣かない

純がくれた温かさ絶対忘れないから

これだけは言わせて

あの時言えなかった言葉


愛してる



love... 


このお話はフィクションです

私が呼んで下さった皆様へ

伝えたい事はひとつ、

自分の気持ちに正直でいてください



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― 新着の感想 ―
[良い点] めっちゃ感動しました! 純超格好いい(*^o^*) ちょっとエロいけど、めっちゃ面白かったです! また書いてください~ ぜひ、うちの駄作も読んでやってください!
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