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【30万PV感謝】辺境伯様と白い結婚~敵国の王女のはずが旦那様の甘やかしが止まりません~【完結】  作者: Tubling@アルファポリス恋愛小説大賞「優秀賞」受賞
第一章

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成長期


 「旦那様!」


 「テオドール様……!お、お仕事は……」


 「今日は早めにあがれたから、君と食事しようと思って帰ってきたんだ。 厨房にいるって聞いて来てみたら、皆で楽しそうにしているから声をかけようか迷ったんだけど……私も仲間に入れてほしいな」



 まさかこんなに早く帰ってくるなんて……!


 夜にお出ししようと思っていたけど、今出してしまおうかしら。



 「まぁまぁ、なんてグッドタイミング! では奥様、焼き立てを食べていただいたら、いかがです?」


 「ロザリア様、それがいいと思います!」



 グリンゴールもエリーナも顔を輝かせて勧めてくる。


 二人とも私と同じ事を考えていたのね。



 「じゃあ、そうしようかしら」


 「うんうん、旦那様! たった今、奥様がお作りになったパンを焼いているところなんです~~食事はそれにいたしましょう!」


 「ロザリアがパンを作ったの? それは楽しみだな」



 テオドール様がとても嬉しそうに笑ってくださるから、パンを作って良かった。


 こういう仕草1つ1つに救われてホッとする。


 テオドール様は私がする事を嫌がらないから、自分がここにいる事を赦されている感じがして、安心感でいっぱいになる。



 「上手に出来ているかは分かりませんが、食べていただけると嬉しいです」



 私の感謝の気持ちが少しでも伝わってほしい。


 そう思って笑っていると、テオドール様が私を抱き上げて「パンが焼けたら私たちの部屋に運んでくれ」と言って、厨房を後にする事になった。



 「テ、テオドール様?」


 「どうしてパンを焼こうと思ったの?」


 「テオドール様に日頃の感謝の気持ちを表したくて……パンがお好きだと言ってらっしゃったから、沢山作ったら喜ぶかなと。 ダメ、でしたか?」


 「………………」



 テオドール様が片手で顔を覆っている。


 ダメだったのかしら……なんだか困らせてしまっているみたい。



 「ご、ごめんなさ……」


 

 私が謝ろうとした瞬間、人差し指を私の唇に当てて言葉を遮った。



 「謝らないで、嬉しいんだから。 とても嬉しくて言葉が出てこないくらい」



 ああ、このお顔は喜んでいらっしゃるお顔だわ。


 良かった……このお顔が見たくて頑張ったから、グリンゴールに感謝しなくては。


 テオドール様は体は大きいけれど普段はとても穏やかで、私はクマさんのようだと思っていて……笑っているお顔がとても可愛い。


 男性に可愛いだなんて失礼よね。


 しかも私みたいに年齢が遥かに下の女性に。


 でも可愛いと思ってしまう。そして時々お顔を抱きしめたくなる衝動に駆られるの……我慢するのが大変。


 そんなやり取りをして夫婦の部屋に到着すると、膝に乗せられたままソファへと腰を下ろした。


 もうずっとこれが定位置になっていて、食事の時以外はこんな感じでいる事が多い。


 旦那様は重くないのかしら……私はこのお城に来てから、かなり体重が増量したと思う。


 そして何より成長期なのか、胸がどんどん大きくなっていて、それにも困っていた。


 着ている服はキツくなってきているし、胸のサイズが合わなくて苦しい時も。


 これだけ増量しているのだから、絶対にテオドール様は重いはず。


 私は意を決して聞いてみた。



 「テオドール様、いつも膝に乗せてくださいますが、重くはありませんか?」


 「ん? 全然? 重いと思ったことはないな」


 「私、ここに来てからとても重くなっています。 自分でも分かりますし、重くないなんて事は……」


 「軽いよ。 すっごく。 まだまだ沢山食べないと、成長期なんだから」



 私が成長期なのを分かっていらっしゃるのね……テオドール様の観察力に関心してしまう。



 「よく分かったって顔をしているね 。分かるよ、君の事なら誰よりも……それに目線も変わってきたしね。 膝に乗せた時の目線が違うから、随分伸びたんだなって思っていたんだ。 私は体格がいいし力もあるので、重さなんかは気にする必要はないよ」


 「グリンゴールのお料理が美味しすぎて……彼にはお礼を言いました。 いつもとても美味しい料理を毎回出してくれるから。 今日パンを作ってみて、料理って凄く大変なんだなって感じたんです」


 「うん」


 「でも出来た時の喜びが大きくて……またテオドール様の為に作ってもいいですか?」


 「………………」



 テオドール様がまた手で顔を覆われてしまった……これは嬉しい時の表現だったかしら。



 「……ごめん、嬉しくて」



 やっぱり。


 良かった……謝らなくて。ふにゃりと笑ってそう言ってくれるので、ホッとして笑い返す。


 そこへグリンゴールが焼き立てのパンを運んでくれた。



 ――コンコン――



 「旦那様、奥様、焼き上がりました~~とっても香ばしい焼き上がりです!」


 「わあ……美味しそう! 成功したのね、グリンゴール!」


 「はい! 奥様はパン作りの才能がおありですね~。 最初からこんなに上手に出来るなんて、素晴らしいです!」



 私とグリンゴールは喜びのあまり二人で手を取ってはしゃいでいると、テオドール様に腕を引かれて、また膝に乗せられる形になってしまう。



 「ロザリアは、教えればきっと何でも出来るようになるよ。 私が教えてもいい」


 「旦那様、大人げないです」



 グリンゴールに大人げないと言われたテオドール様は、顔を赤くしてパンを頬張り始めた。


 そして顔を輝かせて美味しいと褒めながら、沢山食べてくださったのだった。



 

こちらの作品に興味を持って読んでくださり、ありがとうございます^^

もし続きが気になったり、気に入って下されば、ブクマ、★応援、いいねなど頂けましたら励みになります(*´ω`*)

皆さまのお目に留まる機会が増えれば嬉しいです^^

まだまだ続きますので、最後までお付き合い頂ければ幸いですm(__)m

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