オミクロン衰亡記
◎ゴミクロンオミ
「うわ。なにこいつ。ぼろぼろやん」
「ちょちょ寄るな」
「トゲトゲ崩れてるでぇ」
「こら!殻とかパーツまき散らすなや」
「すすすいません。変異し過ぎたので構造が不安定なんです」
「そんなんでふらふら出歩くな!」
「人に無害ですからご勘弁を」
「社会に有害なんだ!このゴミいやオミ!いやゴミいやオミ!」
◎オミクロン対ズミクロン
「やいテメエかオミクロンてのは」
「ひえ。どちらさん」
「聞いて驚くな。世界に名を馳せた名玉の誉れ高いズミクロンたあ俺のことだ」
「ひい」
「よくも俺の名を汚しやがったな」
「私は何も」
「やかましい!成敗してくれる。そこへ直れ」
「わあ」
「?どこ行きやがった」
「フガフガ」
「お、正体現しやがったな、オミ!」
◎オミクロン裁判
「裁判長、被告は変異しすぎて不安定なので早くしないと」
「急かすでない。いま判決文を。
『被告オミクロン株は人体に取り付き罪なき人々を恐怖のどん底に落としめ
「わ。崩れてきた」
「各国政府に無用の対策執行を教唆し以て人類社会の破滅を』」
「あーあ、もう粉々に」
「被告消滅につき本件訴訟を棄却する。以上。閉廷」