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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

全ては仲間の為に

作者: 海月結城

 100人も居ない小さな村だった。同じ時期に生まれ俺たちは、なるべくして親友になった。そして、俺たちは冒険者として生きていた。


「いや〜、今日のクエストも楽しかったな!」

「何言ってるのよ!! あなたが1人で突っ走ってるだけじゃない!」

「そうだぞ、一人で突っ走って行くから、こっちは追いつくのに精一杯だぞ」

「すまんすまん」

「ほら、あんた達行くわよ」


 クエストの報酬を貰いに俺たちはギルドに立ち寄った。


「はい。依頼の品だ」

「はい。確かに受け取りました。では、こちらが報酬です。いつも通り4当分に分けていますよ」

「いつもありがとうございます」

「大丈夫ですよ。これも仕事の内ですから」


 4つの報酬金を受け取って俺たちはギルドを出ようとしたが、その時嫌な奴らに出会ってしまった。


「あら? そこにいるのは貧乏4人組じゃない」

「……なんだ?」

「別に〜、未だにそんな古臭い防具着て、クエスト受けてるのね〜」

「……お前には関係ないだろ」

「無視して行きましょう」

「……ああ」


 いつも、俺たちに会うと嫌味を言ってくる。


「うふふ、また逃げたわ〜」


 そいつの口撃は俺たちの事が見えなくなるまで続いていた。


「早く、マイハウスに戻りましょう」

「……」

「あんな奴のこと、気にしちゃダメだよ」

「分かってるよ」

「あんな奴のことは置いといて、今日の夜ご飯は何が良い?」

「俺はいつも通りで良いな」

「なにそれ、一番めんどくさい答えじゃない」


 俺たちは機嫌を取り戻して、夕ご飯の支度をした。


 その夜。事件は起きた。


 俺は夜に目を覚まして、お風呂に入っていた。


「はぁ、いい湯だな」


 気持ちよくお風呂に浸かっていると、お風呂の出口、通路から足音が聞こえた。


「だれか、起きたのか?」


 特に気にすることなくお風呂に浸かっているとーー


「キャーーーー!!!」

「ッ!! 今の声は?!?!」


 俺は直ぐにお風呂を出て、叫び声が聞こえた部屋に突入した。


「大丈夫か!?!? っ!!!」


 そこにあったのは、血まみれで倒れた仲間たちだった。


「え、なん……で……??」


 俺は、仲間の元にふらふらと近づいてく。


「お、おい。起きろよ、いつも見たいな俺を叱ってくれよ。な、なぁ、なんで、目を開けないんだよ。なんで? 誰がこんな事をしたんだよ」


 俺の頭の中は何も考えられなくなっていた。


「あ、あは、ははは、ドッキリだよな、早く起きてくれよ」


 その時、後ろから笑い声が聞こえた。


「ぷっ、ふふ、アーハッハッハッ!!」

「お前が? お前がやったのか?」

「えぇ、そうよ。いや〜、実にいい表情を見せてくれるわね!!」

「その声は!!」

「えぇ、そうよ。いつもあなた達の嫌味を言っていたわよ」

「……なんで……なんでこんな事をした!?!?」

「なんでって、理由なんて1つしかないわよ。只々『うざい』からよ」


 その答えは、簡単にして、意味が分からなかった。


「……は? ただそれだけで理由で俺の仲間を殺したのか?」

「えぇ、そうよ。実に楽しい殺しだったわよ」

「ふざけるなよ、ふざけるな!!!!!!!!!!!」


 俺は、怒りで我を忘れてそいつに襲いかかった。


「貴方なんかが、この私に勝てるわけ無いじゃない」

「うるさい!! 黙れ!!」

「貴方のお仲間さん、物凄く弱かったわね。貴方も弱いわんだろうね」

「うおおおおおおおお!!!!」


 俺は握っている剣に力を入れるが、こいつは全く動じなかった。


「はぁ、やっぱり弱いわね。死になさい」


 腰のところに隠してあった、2本目の剣を抜き俺のお腹に刺してきた。


「……グハァッ!!」

「早速、お仲間さんのところに送ってあげる」


 その時、摩訶不思議な事が俺の体に起きた。俺の体が光り出したのだ。


「な……なんだこれ?」

「……何よ、それ。一体、何をしたのよ!!」


 その光はお腹に刺さっている剣に集まって行き、剣がお腹から抜けて落ちた。


「これは、この温かさは、お前たちなのか?」

「何をしたのよ!? 答えなさい!!」

「見てわかるだろ。お前を倒す力が身に宿った。それだけだ!!!!!!!」


 俺の手には、今まで仲間たちが使っていた武器が現れた。


「これで、お前を倒す!!!」

「……ふざけ、ふざけるんじゃないわよ!! こんなの、私の思い描いてた展開じゃない!!」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!! 死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「こんな所で死ぬ訳に行かないのよ!!!」


 仲間の武器は俺の思うように動き、奴の腕を切り裂いた。


「こんな所で、私はもっと人を殺して楽しむのよ!!」

「うるさい!! もう死ね」


 そして、俺は奴の首をはねた。


「はぁ、はぁ、ごめん、ごめん」


 俺は一晩中泣き続けた。


 そして、朝になった時またもや、不思議な事が起きた。俺に集まった仲間たちの力が分散され、何処かに消えていったのだ。


「俺は、お前たちと別れたくない」


 そして、俺は仲間の力を探す旅に出かけるのだった。

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