カラメルの疑問~
家の屋敷には古くから勤めている老執事がいる
おっと、貴族たる者まずは名を申さねばならん
我が名はカラメルという、どうかよろしく頼む
ん?貴族にしては腰が低い?あぁ、これは先に申したとおりその老執事の所為・・・いやお陰かな?
彼は自分がこの世に生を受ける前からこの屋敷に勤めている執事で名はスネークという
彼は当時は自分の教育係ではなく唯の執事だった
だが私が今の妻となるホワイトと婚約が決まった時、私の父(フランにとっては祖父)が彼を教育係に指名した
そこからはもう大変だった
当時の私は・・・その俺様系というかオラオラ系だった
権力を振りかざしなんでも自分の好きなようにやっていた
教育係が手を出せないことを良いことに暴れた物だ
だがスネークは違う
まず、初回での顔合わせの際に貴族らしからぬ挨拶をしたら
「今日より貴方様の教育係になりました、スネークです」
「フン、そうか」
「・・・それが年上にする態度か?貴族の癖に挨拶1つできねぇのか!?あ゛ぁ?!」
「へ?」
気がついたら窓から放り投げられ、またある時は
~~~~~
「おや、カラメル様。どこかお出かけに?」
「うん。ロイちゃんとどこに行こうかな・・・」
「それは・それは・・・。そのロイ様とは?新しいお友達ですかな?」
「・・・」
「まさかとは思うが、ホワイト様を差し置いてその娘と添い遂げたいとか思ってんじゃねぇだろうな?」
「うるさい!彼女は俺を認めてくれたんだ!幾ら努力してもホワイトには勝てないし、そんなときに慰めてもらって、感じたんだ。これこそが真実の愛だ、と」
「真実の愛か・・・本当にそう思うのか?」
「本気だ!」
「じゃあ、裸一貫で頑張ってみろや!」
服を全て脱がされスラム街に捨てられた しかも、家との縁も切られた
スラムをなんとか抜け出したところでロイとであったが、
「フン、貴族でもない貴方なんて意味無いわ。近寄らないで」
と、捨てられた
このまま惨めに死ぬかと思ったが俺の身体を支えてくれた娘がいた
その娘こそホワイトだった
「こんな男を助けたところで意味が無いぞ。俺はもう貴族でもなんでもないんだからな」
「そんなの関係ありません!私は貴方が心配で心配で仕方が無かったんです!だから執事のスネークさんに聞いて貴方の居場所を突き止めたんです!」
「なぜ、そこまでしてくれる?」
「努力家の貴方が好きだからです!貴方とともに生きる為なら今の地位を捨てても構いません!」
私はその言葉を聞いて泣いてしまった あぁ彼女と寄り添いたいと真髄に思った
後から聞くと、私は家との縁も切れていなかった
ただ、スネークが私には言葉では通じないと思い実力行使に出たそうだ
その時、彼は恐ろしいことを言った
「おかしいとは思わなかったか?お前みたいな綺麗な顔立ちのやつが喰われないなんて」
それを聞いて思わず尻をガードしたものだ
そこから私は時には反抗しつつ(殴り合い)人として成長できたと思う
もし出来ていなかったら今頃、酷い人間になっていただろう
現にあの後、ロイは複数の将来有望な男と関係を持ち大反乱を起こしたらしい
それにしても彼は執事だよな?
あの発言を聞く限り、スラム街を仕切っているようにしか感じないのだが・・・