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――第一章―― プロローグ



緋夜ひやは、吸血妃だ。

陽射しの下には、降り立つことはできない。


その身体は、大いなる真祖の血より、造られた。

召喚されるその時までは、精霊の界で森にたたずむしかない。


偉大なる真祖は、しばしの休眠にあった。

それゆえ、緋夜も久しくその御姿を目にしていない。


呼び出された眷属が戻って来れば、その語る言の葉で、わずかながらに現界の様子をうかがえる。

久方ぶりに、使い魔の蝙蝠が、召喚された。

今代の皇子が、目覚めたのだ。


だが、蝙蝠は、なかなかに戻らなかった。


緋夜は、首を傾げつつ、精霊の森で、その豊かな髪をくしけずる。

その一筋の髪から、幾羽もの蝙蝠を、生み出していく。


次なる召喚の声に耳をそばだてて。

いずれ、自らが召喚されることを、待ちわびながら。



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