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薄皮ヨモギの暗中模索  作者: 渋谷かな
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55

あなた、友情ってあると思う?


私はない・・・と思う。友情なんて、偽善だ。いつからだろう? そう思うようになったのは。まだ高校生になるまでしか人生を生きていないのに。


ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は薄皮ヨモギ。私は高校を支配する。


私の夢を叶えるためには多くの犠牲を要する。例えるなら私が成績1位を取りたいなら、2位以下は私の踏み台になり、2位以下の人の人生を破壊することになる。こんな学校の学力至上主義の中で本当に友情なんてものが存在できると思う? 私はあり得ないと悩むわ。


「それでは製作委員会渋谷区大会予選を始めます!」

「・・・。」


司会者の元気な合図と共に運動会の徒競走用のピストルでもなったのだろう。製作委員会大会の予選が始まった。お題は電撃サイバーセキュリティ・・・。電撃をサンダーに変えて、サンダーサイバーセキュリティの方がいいような。いやいや、ライトニングサイバーセキュリティの方がゲームのタイトルとしてはいいような。私は悩み呆けていた。


「薄皮さん!? なにぼっとしてるのよ!?」

「・・・?」

「電撃が後ろからやって来ているわよ!?」

「!?」


え? なに!? ギャアアアー!? 私が悩み事をする時は腕組ではなく、片手を頬に当てて、例えるならスーパーで今日の晩御飯の献立を考えながら買い物をしている主婦やおばちゃんのような姿で悩む。おいおい、55話で私の悩みポーズ・・・薄皮ヨモギポーズを解説している場合か? 普通は第1話で描写するべきことだろう。と悩んでいた私は声をかけられて後ろを振り返ったら・・・今にも襲いかかって来そうな大波のような電撃を見て絶句した。


「・・・。」


それでも私は声が出なかった。表情は血相を変えて、私は走って逃げだした。必死で逃げているのだが私は悩む。もしかしてアンコ、ツブコ、ズンコは私を助けてくれたのかしら? もしかして、これが友情? これが友達なの? 私の胸に熱いものが込み上げてくる。


「ギャアアア!?」


今回キャラクター化されない雑魚住所高校の女子高生たちが次々と電撃に呑み込まれて感電死していく。ちょっと!? 製作委員会はリアル生死をかけたデスゲームじゃないでしょうね!? 最近は何でも生死をかければ話が盛り上がると勘違いしている作品が多いと私は思う。そうよ。私はいつでも冷静でなければ私じゃない。だって私は必殺悩み人だもの。


「あ、危ない!? 薄皮さん!? こうなったら・・・あれをやるしかない!」


何かを決心したアンコは、私たちと同じようにサイバー世界の電撃から走って逃げる敵の渋谷5人衆のクレコの腕を掴んだ。


「え?」

「サイバー世界の平和は私たちが守る!!!」

「ギャアアア!?」


そして、投げた。アンコはクレコを電撃に放り投げた。もちろんクレコは丸焦げになり失格になる。みんな、友達は選ぼうね。私はやっぱりアンコたちとは友達にはなれないと思った。え? 正義感? 違う違う。面倒臭そうだからよ。


「やったね! 薄皮さん!」

「・・・。」


え? 私ですかー!? アンコのいいねポーズに私は何も語らない。


つづく。

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