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薄皮ヨモギの暗中模索  作者: 渋谷かな
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あなた、力を手に入れたら使いたいと思わない?


ワードズ・オブ・アウェーケニング。私は自分を覚醒させる魔法の言葉を手に入れた。魔法の言葉はスマホよりも楽しく、なんだか生きていると実感できる。おかげで睡眠不足よ。美容に悪いわ。


「・・・。」


高校初日は全国共通のスマホ沈黙ノーコミュニケーション教室と思っていたが、高校3日目の私には違って見えた。クラスの半分の生徒はスマホで遊んでいるが、もう半分の生徒は、友達になったであろう生徒同士笑顔で会話を楽しんでいた。


「・・・。」


なんだ・・・ただの人見知りだったのか。私は教室に一人でいるのが少しさみしく感じた。もし魔法の言葉を唱えたら私にも友達ができるのだろう。なぜか私には自信があった。得意の悩み事ではない。直感として感じたのである。やはり私は人見知りのままであった。


「薄皮さん、大丈夫? 昨日、救急車で病院に運ばれたって聞いたけど。」


ハーフさんだ!? 私の前の席に座っていた女の子が後ろを振り向いて話しかけてきた。高校二日間で自分から他の生徒に声をかけていない私だが、私のことは教室では知らない者がいないほど有名になっていたみたいだ。


「・・・。」


ど、ど、どうしよう!? 何か答えなくっちゃ!? せっかく私なんかに声をかけてくれたのに、私が何か答えないと私が無視したと思われちゃう!? 嫌われてしまう!? 嫌われたらいじめられるかもしれない!?


「薄皮さん!? 死んだって聞いたけど、なぜ生きてるの!?」

「薄皮さん!? 本当の名前はハクヒさんって中国人!?」

「薄皮さん!? 上条先生と付き合ってるって本当!?」

「薄皮さん!? 秘書の次は製作委員会の委員長になったんですか!?」

「薄皮さん!? 呼んだだけ。」

「薄皮さん!? 薄皮さん!? 薄皮さん!?」


なぜだ!? 私が何をしたという!? すごい人気ではないか!? 私の周りにクラスメートたちが集まってくる!? 私は昨日なんか学校にいなかっただけなのに!? なんだ!? 学校にいない方が人気者になれるというのか!?


「はーい、おまえら席に着け。授業を始めるぞ。」


おお! 救いの神だ! 悩んで、悩んで、悩んでも声をかけられても返事で何を言ったらいいのか分からないで困っていた私を助けてくれたのはひょん教だった。まあ、救いの神というよりは私利私欲の塊なのだが・・・。


「・・・。」


私にできるのか? 気軽に笑って会話のできる友達が? 一緒にお弁当を食べたり、一緒にトイレに連れションに行く友達が私にできるというのか? 教えてくれ! ひょん教! 私を導いてくれ! 私は教室中を見渡して、そう心の中で叫んだ。


「それでは、この問題、答えられる人?」


ダメ!? 私の願いは誰にも届かない!? クラスメートにもひょん教にも私の想いは届かない!? やっぱり私が普通の女子高生のように生活するということは無理なのか!?


「誰も分からないの? それなら・・・薄皮、答えてみろ。」


なにーーーーーーー!? なぜ私を指名する!? 人生最大のピンチ!?


つづく。

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