表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄皮ヨモギの暗中模索  作者: 渋谷かな
14/80

14

悩むことは戦いだ。悩むことは生きることだ。なぜ人は悩む? それを知るために悩む。私は自分を無くさないために今日も悩み続ける。それでも悩んで、悩んで、悩み続けても高校一年生の私にはどうにもならないことがたくさんある。私は無力だと悩んでしまう。


「薄皮ヨモギ製作委員会の発足だ! 顧問は俺だ。」


はめられた。ひょん教の罠が二重にも三重にも張り巡らされていた。恐るべし、ひょん教の正規公務員への執念。私は見事に製作委員会の委員長にさせられてしまった。でも教師が生徒を騙していいのか? きっと良くないはずだ。いや、絶対に良くない。この状態は、アイドルになれるよと街でスカウトされて、男漬けにされて、気が付いたらキャバクラや風俗で働かされていて、スカウトの男がずっと付きまとい24時間監視され、家族とも友達とも疎遠にされ、助けを求めて逃げることができない状態に追い込まれた裸のお姉さんと同じではないだろうか?


「ちなみにメンバーは、まだ一人もいないので、適当にスカウトしてくれ。」


まだ誰もいないのかよ・・・メンバーも私を委員長にしたみたいに勧誘してくればいいだろう? ほんとに人任せだな。これだから悩まない奴は嫌いなんだ。ていうか、本当に私は製作委員会の委員長にされてしまったのか? そもそも製作委員会って何をするんだ? 内容は何も聞いてないぞ。よし、適当に委員会活動を済ませてしまえばいいんだ。


「まあ、これもおまえのリハビリとでも思って気楽にやってくれ。」


こいつ!? 私の秘密を知っているというのか!? ごく一部の人間しか知らないはず!? ひょん教はどこで知りやがったんだ!? 秘密を知られたからには生かしてはおれん。絶対に殺してやる!


「薄皮、何か質問はあるか? しゃべりたかったらしゃべっていいんだぞ?」


・・・なんだろう? この感覚は? しゃべっていいと言われると心が軽くなったような、心から温かいものが湧き出してくるような、今までに経験したことの無い不思議な感覚だ。この感覚はなんだ!? 私の知らない悩みがあるというのか!? ええ~い! 高校だの! ひょん教だの! 私を悩ませるのはやめろ!!! 頭が痛くなる!? 悩みのラビリンスから抜け出せなくなるじゃないか!?


「さようなら。」


私はひょん教に挨拶をして職員室を後にした。おお!? しゃべった!? 的なひょん教の表情が面白かった。ああ・・・疲れた・・・もう12時か、睡眠不足はお肌に悪いな。私の予定では、ほんとはお家に帰っていて温かい布団で眠っているはずなのに・・・。ああ・・・眠たい・・・悩み回路が朦朧としてくる・・・。今日は色々あったな・・・高校初日ぐらいは何事も無く平和に過ごせると思ったのに・・・。私は薄皮ヨモギになり、製作委員会の委員長にさせられてしまった。入学式の片付けを入学生がやるって設定はどうよ? 矛盾だらけじゃない? ほんと信じられない! ああ・・・早く眠りたいのに・・・今日中にしないといけないことを思い出してしまった。ああ・・・私の悩み事はなくならないな・・・。


つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ